#海外ドラマ

【ドラマ】ロスト・シンボル

ダン・ブラウン原作のドラマ「ロスト・シンボル」全10話を見ながら思っていたのは、「原作もこんな展開だったっけ」という違和感と「この内容では映像化は簡単ではなかっただろう」という納得感だった。ロバート・ラングドン教授シリーズの中では映画化され…

【ドラマ】ボクらを見る目

原題の「When They See Us」の意味を活かした良い邦題のようにも思うが、カタカナの「ボク」という中途半端な一人称を使ったことで、骨太な本作の内容を集約させるにはミスリードになったように思う。「アフリカ系」という表現も北アフリカのアラブ系を無視…

【ドラマ】令嬢アンナの真実

原題は"Inventing Anna"で、日本人の感覚では「Invent = 発明」だが、ここでは「(ないものを)作り出す」つまり「でっちあげる」という意味。本人が自覚しているかどうかはさておき、詐欺行為を及ぶ上で経歴から口座までをでっちあげたアンナ・デルヴェイの…

【ドラマ】クイーン・シャーロット ~ブリジャートン家外伝~

「ブリジャートン家」の登場人物は出てくるし、それなりにコメディ要素もないわけではないのだが、この「クイーン・シャーロット」はかなり骨太な内容だ。英国王ジョージ3世は、実際にもこころの病に悩まされた人物のようだが、王を継ぐものとして生を受け…

【ドラマ】キャンディ

<ネタバレあり> 実話をベースにした全5話のミニシリーズは、なかなか骨太な内容だ。気の弱そうな女性と押しの強い女性が絡む殺人事件の真相を追う内容とくれば、気の弱そうな女性が殺されたという筋が自然なだけに、最後に無罪評決が来るであろうことは十…

【ドラマ】デイジー・ジョーンズ・アンド・ザ・シックスがマジで最高だった頃

小説が原作のドラマながら、フリートウッド・マックの実話がベースにあるという情報もあるこの作品は、アマゾンプライムで配信された。主人公のふたり、デイジーとビリーの個性が強烈だが、それを演じる役者の演技力もまた凄まじい。我が強く、自分の意見を…

【ドラマ】イエローストーン シーズン4

登場人物のキャラがとにかく濃いこの作品だが、シーズン4はそれぞれの人生を追っている印象で、ダットン家としてのまとまりはかなり薄かったように思う。スピンオフが用意されていたり、主人公ジョン・ダットン役のケビン・コスナーが制作陣ともめていたりと…

【ドラマ】ザ・ディプロマット

「The Diplomat」はNetflixで木曜日に配信が始まったばかりだが、土曜日までにシーズン全8話を一気見してしまうくらい面白い作品だった。米国駐英大使ケイトを演じるケリ・ラッセルは「ジ・アメリカンズ」さながらに、重ねた齢を味として表現する熟練の演技…

【ドラマ】SEAL Team/シール・チーム シーズン4

海軍特殊部隊を描く「シール・チーム」のシーズン4は、これまで以上に骨太で重いテーマを扱って展開する。序盤では准尉に昇格したレイがチュニジアで拉致され、その奪還に向けてブラボーチームが暗躍する。主人公ジェイソン・ヘイズもレイも、それぞれにメン…

【Disney+】マンダロリアン シーズン3

スピンオフを作り過ぎだという非難も受けているスターウォーズだが、さすがにマンダロリアンはグローグー人気もあるので別格の扱いなのだろう。「キャシアン・アンドー」が人間ドラマに寄せて予算を節約していたのに対し、宇宙船や動物にもふんだんにお金を…

【ドラマ】トランスアトランティック

「世紀の亡命プロジェクト」という副題がつけられているが、史実をベースに脚色した壮大なドラマということで期待した割には、思ったほどの壮大感ではなかった。「トランスアトランティック」というからには大西洋を渡るはずだが、マルセイユを起点にイベリ…

【ドラマ】SPY CITY ~ベルリン1961~

第二次世界大戦後のポツダム協定により、米英仏露4ヶ国によって分割統治されていた時代のベルリンを描くドラマ。タイトルにもあるようにスパイを扱った作品であり、ストーリーとしてもそのあたりうぃ描いているのだが、米英仏とロシアの反目によってベルリン…

【ドラマ】ナイト・エージェント

Netflixのドラマ「ナイト・エージェント」は、どこかで見たことのある俳優の学芸会のようなキャスティング。特にトラヴァース大統領役のカリ・マチェットは「コバート・アフェア」でCIA幹部を演じていた記憶が強いが、そのときに彼女の夫役だったピーター・…

【ドラマ】パムの秘密 ーある主婦の知られざる顔ー

「パムの秘密」にしろ「ある主婦の知られざる顔」にしろ、このドラマの本質を伝えてはくれないし、それは原題である"The Thing about Pam"にしても大して変わらない。実話に基づいて製作されたドラマだが、物語の中心となる疑惑の主婦パムを演じるレニー・ゼ…

【ドラマ】カーニバル・ロウ

ファンタジー系のドラマとしては「ゲーム・オブ・スローンズ」や「指輪物語」、「ウィロー」の路線で「ゲーム~」の世界観を踏襲している部分もあるように感じたが、ダイバーシティ観点だけが妙に強すぎた「ウィロー」や全体の一部であることが分かりにくさ…

【ドラマ】スニーキー・ピート

古いドラマシリーズだが、ブライアン・クランストンが製作に絡んでいるということもあって、興味を持って見てみた。刑務所を出所した詐欺師が、同房者になりすまして家族に取り込み、最終的には大きな詐欺につなげるという壮大なストーリー。フィクション臭…

【ドラマ】刑事ジョン・ルーサー

刑事が主役ではあるが、いわゆる捜査モノではない。犯人を追い詰めるのはルーサーの直感と決めつけで、いつのまにか特定されてしまうので、その過程を楽しむのは不可能。その代わりに心理描写や猟奇的な事件の背景に背筋を凍らせるのが、この作品の正しい鑑…

【ドラマ】エミリー、パリへ行く

"Emily in Paris"のシーズン3では、エミリーはシルヴィーの新会社に移った形でおなじみのメンバーと仕事をする。ガブリエルやミンディも含め、登場するキャラクターにはあまり変化はないのだが、エミリーの言動をあえて極端に見せて路線にシフトした印象があ…

【ドラマ】ハッピー・バレー 復讐の町

イングランド北部の架空の街ハッピーバレーを舞台に、ベテラン女性警官の周囲で起きる事件を描くドラマ。美しい風景の中で、品のない市民たちが等身大の生活をしている様は、J.K.ローリングの小説「カジュアル・ベイカンシー」に描かれていた世界観にも通じ…

【ドラマ】ナチ・ハンターズ シーズン2

すっかりシーズン1の内容を忘れてしまっていたが、シーズン2を見進めてゆくうちに徐々に記憶が呼び覚まされ、いろいろなものがつながってゆく感覚に。シーズン1ではハンターズが集結する過程が描かれたが、それぞれの個性がデフォルメされた印象だったので、…

【ドラマ】リグ ~霧に潜むモノ~

北海油田の採掘施設で起きる謎の地震と火災を巡って、海上で孤立した従業員が繰り広げる対立と脱出劇。ある意味、密室サスペンスのような展開で、列車や宇宙船、飛行機などとは異なり、北海に作られた「リグ」という設定が独特だ。パニック状態の施設内で、…

【ドラマ】WITHOUT SIN 罪なき者

硬派な英国ドラマだが、役者の演技に現実味がある。娘を殺害された母親が真実を知るために行動する展開の中、法とか社会常識とかを超越して自身の強い思いで突き動かされる描写が素晴らしい。このようなシチュエーションでは、被害者サイドの思いは当然に強…

【ドラマ】エクスパンス -巨獣めざめる-

「巨獣めざめる」という副題は原作との関係上つけられたものだが、このドラマシリーズにおいてはまったく余計なものでしかなく、「巨獣」らしきものは出てこないと言ってよい。6つのシーズンで全62エピソードは見応えがあるが、内容のレベルにはかなり差があ…

【ドラマ】カレイドスコープ

とある強盗事件に至る経緯から後日譚までを、時系列をバラバラにして展開する全9話のドラマ。1話目は48秒の予告編のような構成なので、実質的には全8話だ。各エピソードには番号ではなく色の名前が振られていて、順番に意味がないことを示している。しかし、…

【ドラマ】ホット・スカル

「ペチャクチャ病」と呼ばれる伝染性の病気が蔓延するトルコの都市で、罹患を避けるためにヘッドホンを装着したり感染者を隔離したりする様子は、まさにコロナ禍の世界を思わせる。しかも、感染者が発する脈絡のない言葉の羅列を聞くことで発症してしまうた…

【Disney+】ウィロー E1~5

30年以上前の映画をベースに、続編というか後日譚というか位置づけが微妙なものをドラマ化している作品。スターウォーズとは一味違ったダイバーシティ&インクルージョンを扱っているだけに、ジョージ・ルーカスとしても思いがあったのだろう。IMDbでの評価…

【ドラマ】ペリフェラル

アマゾンプライムで配信中のドラマ「ペリフェラル」は、「ウエストワールド」の製作陣が手掛けていることもあって同じ系統の作品に仕上がっている。直観的に楽しみにくいというか、小難しい設定が多すぎて全体像を理解しにくいのだ。時間軸を越えて展開する…

【ドラマ】高い城の男

タイトルが作品の世界観を表現していないこともあって、テーマがはっきりしないまま見進めた作品。第二次世界大戦をドイツと日本が勝利したというパラレルワールドで、北米はロッキー山脈を中立地帯として東をナチスドイツ、西を帝国日本が領有する中でスト…

【ドラマ】キャシアン・アンドー

序盤はなかなか入り込めなかった本作だが、中盤からキャシアンの位置づけが明らかになり、収容所からの脱出を仕切る立ち位置で本領を発揮した印象だ。最終話では亡き育ての母の葬列を「利用」して反乱を企て、見事に立ち回る。戦略家だが、表に出てチームを…

【ドラマ】トロム~フェロー諸島殺人事件~

フェロー諸島という名前を聴く機会はあっても、その風景を思い浮かべることはできなかった。以前に見たドラマ「北氷洋」では、北の海で活動する漁師が羽を伸ばす酒場がある島という描き方だった。場所でいえば、ノルウェーとスコットランド、アイスランドの…