【ドラマ】エミリー、パリへ行く

"Emily in Paris"のシーズン3では、エミリーはシルヴィーの新会社に移った形でおなじみのメンバーと仕事をする。ガブリエルやミンディも含め、登場するキャラクターにはあまり変化はないのだが、エミリーの言動をあえて極端に見せて路線にシフトした印象がある。言い換えれば、エミリーが嫌なヤツに見える度合いが高まったということで、見ていて正直あまりよい気分にはなれなかった。「アメリカ文化を持ち込む異邦人」から、「無駄にでしゃばる押しの強いアメリカ人」になってしまったのだ。

パリの風景は相変わらず美しく、場面の切り替え時に挿入される夜景なども実に素敵だ。それだけに、かえってエミリーの独善ぶりがクローズアップされてしまい、プログラムとしての印象も悪くなっている。終盤には同僚ジュリアンとの対立まで描かれ、ちょっとネタ切れな感じすら窺えるだけに、来年配信予定のシーズン4での展開には不安しかない。もう一度マデリンに登場してもらうとか、就労ビザが問題になるというようなストーリーにした方が、安心して見られそうだ。シカゴからエクスパットとして派遣されて、その会社を辞めているだけに、就労条件が満たされているようには思えないから…

それにしても、毎回派手でポップな衣装で登場するエミリーは、あの部屋に衣装をどう収納しているのだろうか。もっと言えば、あんな生活をするだけの収入はあるのだろうか。コメディドラマにツッコんでも仕方ないが、リアリティが感じられないのはこのあたりにも原因があるのだと思う。あえて非現実性を狙っているのかもしれないが…