【映画】ミュンヘン戦火燃ゆる前に

価値観というものは、非常に扱いにくいものだ。ナチスドイツが第2次世界大戦に向かうトリガーになったズデーテン地方の併合を巡るミュンヘン会談に焦点を当てたストーリーだが、ズデーテンはドイツ系住民が多いエリア。民族としての統合は、価値観が近く共感を得やすいということなのだろう。そしてナチスが持っていたカリスマティックな求心力も、第1次世界大戦で負けたドイツの価値観が戦争に、そして民族浄化の名の下にユダヤ人虐待につながった。

本作は、そんな価値観による同調圧力に屈しなかった2人の役人のストーリーなのだが、組織論として考えれば、理念を共有できなかった時点で失敗しているとも言えるだろう。英国にしてもドイツにしても、この時代に戦争に向かうには価値観の妄信が必要だったし、それは日本でも同じだったはず。そこに異議を唱えることがどれほど大変なことなのか、そして叶わなかったとしても人間として正しいことをする意義について、問いかけられているような気がした。

チェンバレン首相を含む英国陣営は、いかにも英国らしいクセのある演技と演出をしているのだが、一方でドイツ陣営の描き方は浅かった。特にヒトラーヒムラーといった主要人物のキャスティングが弱すぎて、こんなにカリスマ性のない指導者ではあれだけ狂信的な結合を生むことはないだろうという妙な納得感すら覚えたほどだ。いずれにしても終盤はサスペンス要素も満載で、作品としては十分に楽しめた。

【全豪オープン】シンネル―ダニエル太郎

KIAアリーナの観客は、この試合を十二分に楽しんだことだろう。ダニエル太郎が、ここまでシンネルを苦しめるとは思っていなかっただろうし、それも単に相手のミスを待つ守備的な内容ではなく、攻めて抜いて落としての競り合いだ。両陣営ともに、表情をこわばらせて見守るしかなかったように見えた。

ただ、スタンドの盛り上がりは、テニスの大会にしてはやや品を欠くもの。指笛やブーイングだかシウーだかわからない声は、それでも好意的な反応には感じられた。シンネルもダニエルも、ボールパーソンにボールを返そうとしていたし、一部メディアが伝えているようにシンネルがダニエルのミスショットがボールの不備によるものだとチェアアンパイアに申告するという好プレーもあった。こういったやり取りはすべて、見ていて気持ちがよいもの。シンネルの好感度も、一気に上昇した。

セットオールからのサードセットも競り合っていたが、このあたりからダニエルに見える疲労度が一気に高まってしまう。予選から6試合目なので致し方ないところではあるが、それはシンネルにも見えていただろうし、ここからもう一度ギアチェンジするだけの余力は残っていなかった。サードセットの中で流れを変えることができれば、シンネルに勝つチャンスはあっただろう。2015年に慶應チャレンジャーで添田との決勝を観戦してから6年。29歳、まだまだ進化しているダニエル太郎のこれからに期待しよう。

【全豪オープン】大坂なおみ―アニシモバ

全豪オープンの女子シングルス3回戦で、大坂なおみはアニシモバと対戦。それほど悪い出来には見えなかったが、打ち負けてしまった印象がある。アニシモバの強打にラケットの面が合わない場面があったが、そのことを気にし過ぎてしまったのか、強く打つことに意識が向いてしまった。その影響もあってファーストサーブは入らず、振り過ぎてワイドにアウトになる場面が散見された。アニシモバは、大坂のセカンドサーブに合わせるのに苦労していたようにも見えたので、スピン系で攻めた方が効果的だったのかもしれない。

ただ、アニシモバがラケットを投げるシーンがある一方、それを客観見ている大坂がいたのは事実。メンタル面ではセルフコントロールできていたのだろうし、自分の中で自分への期待値を上げ過ぎないように意識していたように見えた。その点を自身でも評価しているようだが、復帰したばかりという現状を踏まえれば妥当だと言えよう。

これでシングルスの日本人選手で残っているのは、ダニエル太郎だけ。ダブルスでは青山/柴原組や日比野、マクラクランもそれぞれのペアで残っているので、ダブルスにも注目してみたい。そして、「太郎ちゃん」のセカンドウィーク進出を期待しよう。

【全豪オープン】アンディ・マレー―ダニエル太郎

全豪オープンの男子シングルス2回戦で、進化したダニエル太郎アンディ・マレーに快勝した。試合開始当初はWOWOWの実況席もダニエルが勝つとまでは思っていないような様子だったが、徐々に雰囲気が変わる。マレーは、最初のサービスゲームでは、いつものような甲高い声が漏れることもなかったのだが、第3ゲームを競り合った末にダニエルが取ったあたりからスイッチが入った。それでもダニエルは、バリオスベラ戦でも見せた早い仕掛けが奏功して主導権を握り続けた。

1回戦同様に、相手のリターンがどこに来ても返すディフェンダーぶりを見せつつ、得意なはずの長いラリーに持ち込む前にコースを変える。ミスもあったものの、バックのダウン・ザ・ラインも効果的。欲しいポイントをサービスエースで奪い、さらにドロップショットも織り交ぜるあたりは、とてもATPランキング100位台のプレーではなかった。マレーも、おそらく事前のスカウティングとは様相が違ったという感じに見え、ときおり苦笑いを見せていた。

初めてのグランドスラム3回戦は、こちらも好調を維持するシンネルとの対戦。かなりの難敵ではあるが、今のスタイルを貫けば勝機はあるはず。予選からの疲労が蓄積してくる頃なので、うまくリカバリーして土曜日に臨んで欲しい。マレー戦の勝利で、注目度も格段に上がったはずだ。

【代々木公園】ロウバイが開花

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寒い日が続きますが、代々木公園ではロウバイが咲き始めています。甘い独特の香りと黄色味を帯びた乳白色の花が、冬の公園に華やぎを与えてくれます。ここからは、梅、河津桜ソメイヨシノとつながる花の競演が楽しみです。

【全豪オープン】ダニエル太郎―バリオスベラ

ダニエル太郎の成長を、強烈に印象づける一戦だった。オーストラリアン・オープンの男子シングルス1回戦に登場したダニエル太郎は、バリオスベラを相手にファーストセットこそタイブレークまでもつれたものの、その後は楽勝と言ってよい展開で勝利を収めた。ディフェンダーの印象が強いダニエルだが、得意の長いラリーに持ち込んだ後で勝負に出るショットが素晴らしかった。自分からコースを変えるタイプではないと思っていたのだが、切れ味鋭いダウン・ザ・ラインも随所にあり、ネットプレーも冴えていた。

サーブの動きも、非常にスムーズになっている。高い身長を生かせていなかった頃が信じられないほどに、体重の乗った勢いを感じるサーブを叩き込んでいた。これだけのプレーができるのであれば、セカンドウィークへの進出に期待したいところだが、相手のバリオスベラの動きがぎこちなかったことも、また事実。今のまま勝ち進んでも、5セットマッチで強い相手にどこまで通用するかは未知数だ。

とはいえ、ダニエルの表情は自信にみなぎっていた。これは自信の成長を実感しているからに他ならない。特に勝利を決めた瞬間に人差し指を高く突き上げたポーズは、それを象徴しているだろう。いずれにしても、次はアンディ・マレー。結果だけではなく、内容でも楽しませてもらおう。

【表参道カフェ】フラッシュコーヒー

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黄色のブランドカラーが印象的な、シンガポール発祥のコーヒースタンド「Flash Coffee」。アプリでのモバイルオーダーをウリにしているのでキャッシュレスかと思いきや、現金も使えるし、もちろんカウンターでも普通にオーダーできます。この画像は「みたらしラテ」。味は悪くないけど、コーヒーの味が消えてしまうのは残念。コンビニ的なサービスを想定していましたが、しっかりした接客でした!