【ビジネス書】GE帝国盛衰史

僕が以前勤務していた会社に関する内容なので、興味を持って読んだ書籍「GE帝国盛衰史」。この本にも書かれている通りだが、僕の肌感覚でもGEの業績は間違いなく「M&A」と「攻撃的会計」に依存していたと感じる。僕が過去に勤務していた別の会社でも、期末に社員を転籍させて退職金引当を積み替えるようなことは行っていたが、GEの手法は重箱の隅をうまくつついている印象が強かった。それができるCFOやコントローラーは、重宝されたのだろう。M&Aに関しては、BDの同僚が「何か買収先のヒントはないか」と相談に来ることもあったし、DDを内製で済ます部分が大きく、部門によって精査に結構な温度差があった。実は自分も年金資産を見誤ったことがあって、まずい金額感だと思っていたのだが、ディールチームに報告した際に「その程度か」とスルーされたこともある。それらについて、経営陣にも自覚があったからこそ"Organic Growth"が叫ばれたのだと思うが、具体的にどうするかまで語られることはなく、掛け声で終わっていた。

また、これは僕がGEを離れた理由のひとつでもあるが、その分野の専門知識よりも「GEのツールをうまく回すこと」が評価される。つまり今でいう「アート思考」の対極で、思考を停止して決められたオペレーションに乗っかることが求められるということ。これは、この本にもあるように、メーカー的な発想そのものであって、キャピタル部門と対立した根源にあるものではないか。シックスシグマの"DMAIC"という考え方は、もともと"MAIC"で"M = measure"を起点にしていたところ、キャピタルの反発で"D = define"を足したという話を聞いたことがある。そう考えると、PDCAよりOODAループの方がクリエイティブな産業では妥当なサイクルなのではないかという気もしてくる。

全体的に、ジェフ・イメルト個人に負の業績を押し付けた書き方になっていて、確かに米国企業の責任権限からいえば正しいのだが、もっと事象に目を向けないと未来に生かせない。その意味では、タブロイド紙的な部分が多かった


ことは残念だ。

【北欧ドラマ】ロレンスコグ失踪事件

富豪の妻が失踪し、富豪本人の疑惑も含め、複雑かつ崑崙としたストーリーが展開するノルウェー製作のドラマ「ロレンスコグ失踪事件」。事実に基づいているという説明がなかれるのだが、途中でこれは「こんな見方もあんな見方もある」という謎を視聴者に投げ掛けたまま終わるのではないかという不安を抱いたが、それが的中してしまった。

警察や報道機関など、エピソードごとに視点を変える手法は興味を引かれるものの、それは謎が解けてこそ。こんな中途半端に、そして突然に終わられては、あの構成は何だったのかと言わざるを得ない。まるで製作費が尽きたかのようにドラマが終わってしまうのは、どう癇癪したらよいのだろうか。

キャストも地味で感情移入もできないし、真実の究明に他のことを犠牲にしているということを表現したいのだとは思うが、それよりもヒトかコトかでもっと掘り下げた深みを出して欲しかった。全5話なので、まあ「これは選択を失敗したかな」で済むから、まだよかったのだが…

【アート】Ly個展@SAI

ストリート系の作品も多いアーティストLyの、久しぶりの個展が渋谷ミヤシタパークのSAIギャラリーで開催されています。黒い人影のようなキャラクター「Luv」が中心ながら、珍しく女性のモチーフを大きく扱った作品もありました。平面だけでなく立体もあるので、多角的に楽しめる展覧会になっています。

【大分―甲府】歓喜は最後に待っていた

試合の流れから見て、もう勝てないだろうと、それどころか負けてしまうのではないかとすら考えたゲームは、最後に歓喜が待っていた。終盤の大分は、GKからのロングボールに頼るサッカーで、これでは下田や野村は生きない。肉離れから復帰した長沢を狙って金崎が絡むくらいしか可能性はないとも思ったが、右サイドを井上が崩して増山が折り返したところに長沢が決めるという劇的な勝利だった。

しかし、今日のMVPは間違いなく吉田舜だ。彼の2本のスーパーセーブがなければ、試合はとっくに決まっていた。1万人を超える観客を集めた昭和電工ドームで、三平のいる甲府に引導を渡されるようなことになっては、今後の観客動員にも影響はあったはず。それを防ぎ、最後に劇的な勝利をつかめたのは、吉田のおかげだ。小出の見事なゴールカバーも評価したいのだが、彼はその前にウィリアン・リラにフリーでシュートを打たせてしまっているので、プラスマイナスゼロというところだろう。

それにしても大分は、交代カードを早く切った試合では流れが悪くなっているように感じる。今日も60分を待たずにサムエルと梅崎を下げていて、確かに二人とも動くが落ちていたのは事実だが、チーム全体のギアの入れ替えという意味ではちょっと早すぎるのだ。もう少し引っ張って、ここぞというタイミングで交代する。下平監督は、その見極めがあまりうまくないのだ。中盤を飛ばす戦術を取る時点でのインサイドハーフの交代も同様だが、このズレが致命的なことにならないことを祈るばかりだ。

【レーバーカップ】フェデラーのラストマッチ

ロジャー・フェデラーの現役最後の試合は、ナダルと組んでのダブルス。ロンドンで開催されているエキシビションマッチ「レーバーカップ」の初日、第4試合にアサインされた。対する相手はソックとティアフォー。ソックはダブルスでも実績を残しており、決してレジェンド組が優位にいるというわけではなかった。

ファーストセットはフェデラーナダルが取ったものの、セカンドセットはソック&ティアフォーが先行。追いついてタイブレークというところで、WOWOWの中継が途切れた。もともとの放送時間が終わって延長の扱いに入った直後だったので、もしかしたら通信衛星の延長手配ができていなかったのかもしれない。再開した時点ではセカンドセットがソック&ティアフォーが取っており、10ポイントのマッチタイブレークに入ったところだった。フェデラーのサーブでマッチポイントという場面ではスタンドも大いに盛り上がったのだが、残念ながら取り切れず、直後にソック&ティアフォーがつかんだマッチポイントを決められて勝負が決してしまった。

エキシビションでの引退試合なので、華を持たせるような筋書きも考えることはできるが、チケット販売時点ではフェデラーの引退は報じられていなかったのだから、真剣勝負を見せるのが自然だろう。ソックとティアフォーは楽しみながらも、細かいところでチェアアンパイアのライアニさんにクレームをつけたりチャレンジを行使したりと、終始真剣だった。最大の見どころは、フェデラーのサイドラインぎりぎりからのリターンがネットの右上の隙間を抜けてしまったこと。ネットの隙間を抜けた上にポストに当たったので、ライアニさんは正確に判断していたが、スタンドの観客も中継のオーディエンスも何が起きたかすぐにはわからない微妙なプレーだった。

終了後のインタビューでは涙を見せ、言葉を詰まらせたフェデラー。僕は彼がコラボしたONのスニーカーを履いていることもあって、とても親近感がある。2万人の観衆の中で愛されているところを証明したフェデラーに、僕もさよならを伝えたい。

【Disney+】キャシアン・アンドー E1~3

原題は単に「ANDOR」だが、日本で「アンドー」ではいろいろ誤解されそうな作品になってしまうということなのだろう。スターウォーズのシリーズではありながら、スピンオフである「ローグワン」のスピンオフという位置づけなので、本編とはかなり隔たりがある。そもそもアンドーがどんな人物だったのかも定かでない中で見始めたところ、やはり視点が定まらないままだ。

振り返って考えると、エピソード1から3までを一気に配信したのは、そうしないと流れがつかめないからなのだと思う。3話を一気に見たところで、やはり流れには乗れないのだが、それでも3話見ると、それなりにわかってくることも多い。アンドーが反乱軍のスパイになる前日譚ということで、ここまでは地味な展開ながら、彼の位置づけや交友関係が見えてくる。ここからどう活躍するのかが見えないことが最大のフラストレーションだが、もう少し期待して見続けることにしよう。

役者陣では、フィオナ・ショウの存在感が圧倒的。ハリーポッターシリーズのペチュニアおばさんや「キリング・イブ」のMI6主任役でおなじみのベテランだが、あの表情だけで安心させられてしまう。序盤では、ブレードランナー酸性雨降る都市が曽部やのスペイン坂に移ったような風景で、エキゾチック感に欠けるというか、スターウォーズらしく壮大なビューがないことが不満だった。スターウォーズといえば惑星の大地、しすてそこに暮らすダイバーシティ豊かな種族なので、そこはしっかり踏襲してもらいたいものだ。

【王子グルメ】おうじバル

4〜5年ぶりに「おうじバル」で夕食。1杯目のサンクトガーレンのホエイサワーエール・ブルーベリーは乳清を感じさせる爽やかな風味で、ブルーベリーの果実感は抑えめでした。サワーエール好きな僕としては、満足度の高いビールです。しらすクリームコロッケとも、よく合いました。