【Disney+】ウィロー E1~5

30年以上前の映画をベースに、続編というか後日譚というか位置づけが微妙なものをドラマ化している作品。スターウォーズとは一味違ったダイバーシティインクルージョンを扱っているだけに、ジョージ・ルーカスとしても思いがあったのだろう。IMDbでの評価も6点台と高くない水準で推移しているようだが、最大の課題は世界観を描き切れていないことではないか。

小人族の位置づけや他の種族との関係性の描写が希薄な中で、人間関係のような部分にフォーカスを当ててストーリーが展開しているので、製作陣のメッセージが伝わってこないのだ。これはロード・オブ・ザ・リング「力の指輪」でも似たようなことを感じたが、名作の続編だからといって世界観が共有できていると考えてはいけないのだと思う。もっと言えば、それを作り上げることが作り手側の責務であって、視聴者の努力に委ねられるものではないということだ。

スターウォーズのスピンオフのように、星と種族の描写だけで安心できる作品とは違う。ファンタジーは特に、魔法の扱いや時代の描写も必要になるのだから、序盤ではもう少しペースを落として視聴者に世界観を刷り込むべきではなかったか。吹き替えの印象にもやや違和感があり、総じて「入り込めない」ままに進んでいることが残念だ。