【ドラマ】カレイドスコープ

とある強盗事件に至る経緯から後日譚までを、時系列をバラバラにして展開する全9話のドラマ。1話目は48秒の予告編のような構成なので、実質的には全8話だ。各エピソードには番号ではなく色の名前が振られていて、順番に意味がないことを示している。しかし、見進めてゆく中で湧いてくる疑問が、次のエピソードで解消されるような順番になっているので、この通りに見る方がストレスを感じないだろう。

キャストはかなり充実していて、「ブレイキングバッド」のガスを演じたジャンカルロ・エスポージトと「高い城の男」のジョン・スミス役のルーファス・シーウェルが個性を生かした見事な演技を見せる。10年以上にわたって時系列を遡るのだが、特殊メイクを巧みに使って当時の年齢を描き分けるあたりも必見だ。そして、僕としては「シカゴ・メッド」で臨床検査を担当するジョーイを演じていたピーター・マーク・ケンダルの演技が印象に残った。「シカゴ~」では真面目な青年という役柄だったが、本作では不器用な強盗団の一員として全体によいアクセントをつけてくれていた。

最後から2つめのエピソードのラストシーンで、ある主要人物の背後に銃弾が迫るシーンがあるが、その後が語られていないことがとても気になっている。余韻を持たせる手法は理解できるのだが、ぜひその続きを見たいものだ。リミテッドシリーズなのでシーズン更新はなさそうだが、映画化もしくはスペシャル枠で時系列に再構成した上で、続きをつなげてみてはいかがだろうか。期待しているオーディエンスは、僕だけではないと思うのだが…