【ドラマ】デイジー・ジョーンズ・アンド・ザ・シックスがマジで最高だった頃

小説が原作のドラマながら、フリートウッド・マックの実話がベースにあるという情報もあるこの作品は、アマゾンプライムで配信された。主人公のふたり、デイジーとビリーの個性が強烈だが、それを演じる役者の演技力もまた凄まじい。我が強く、自分の意見を押し通すためには平気で嘘もつくし、ドラッグや酒にも溺れる。このふたりのぶつかり合いをいていると、決してよい気分にはならないのだが、それでも演技と演出に引き込まれてしまうから、ドラマとしては秀逸な出来なのだと思う。

デイジーを演じるライリー・キーオとビリーを演じるサム・クラフリンは、僕にとってはどちらも初見に近い存在だが、あまりの役作りに感動してしまった。バンドが演奏する場面では、すべてのメンバーがスタントを当てていないように見えた。キーボードは簡単なフレーズしか弾いていなかったが、ドラムスやギター、ベースはそれなりに見えた。英語でググってみたところ、やはり実際に歌も演奏も俳優陣が担当しているようで、そう考えるとこの仕上がりには目を見張るしかない。

アルバムがヒットして頂点を極めた後に、バンドは男女関係やメンバー間の確執によって瓦解してゆく。そもそもこのバンドが出来上がった経緯からも自然な流れではあるのだが、いかにも実際のロックバンドにありそうなエピソードが積み重なり、「やっぱり、そういう世界なのか」と妙に納得させられてしまう。ただし、これはあくまでフィクションなので、ストーリーが絶妙だということなのだが…