【ドラマ】スニーキー・ピート

古いドラマシリーズだが、ブライアン・クランストンが製作に絡んでいるということもあって、興味を持って見てみた。刑務所を出所した詐欺師が、同房者になりすまして家族に取り込み、最終的には大きな詐欺につなげるという壮大なストーリー。フィクション臭さはありながらも、爽快なくらいスケールが大きく、小技もしっかり織り込んでいるので見応えがあった。

米国ドラマから感じるのは、やはり家族愛に強さ。親子や兄弟姉妹はもちろん、いとこであっても強い絆で結ばれているような描写が多い。それは、銃や暴力のリスクにさらされる中では、信用できて安心できる存在だからなのかもしれない。本作ではその家族の中心となる祖父母にピーター・ゲレッティとマーゴ・マーティンデイルという味のある俳優を起用して、心理状態の綾を見事に演じ分けさせる。マーゴは「ジ・アメリカンズ」ではソ連のスパイ役として活躍していたが、その地味なイメージとは裏腹に気風の良さで大活躍していた。

さらには、マーゴ演じるオードリーの父親役を80代のM.エメット・ウォルシュが怪演。あの年齢でしっかり台詞を記憶し、あれだけとぼけた雰囲気を醸し出せるのだから素晴らしい。いや、この役にはめたキャスティングの妙と言った方がよいのかもしれない。シーズン3の終盤は、凝り過ぎてコメディ感の強いグダグダな展開になってしまったが、それはそれで楽しめた。スピンオフでも作って欲しいところだが、それは難しいのだろう。