【ドラマ】ナチ・ハンターズ シーズン2

すっかりシーズン1の内容を忘れてしまっていたが、シーズン2を見進めてゆくうちに徐々に記憶が呼び覚まされ、いろいろなものがつながってゆく感覚に。シーズン1ではハンターズが集結する過程が描かれたが、それぞれの個性がデフォルメされた印象だったので、コメディ寄りな要素も少なくなかった。一方、シーズン2はアドルフ・ヒトラーという誰もが人物像を知っているキャラクターが登場し、ミュンヘンで国際裁判にかけるという展開なので、かなりシリアスというか堅い要素が強まっている。

ヒトラーが主張する理屈は、いかにも自分の価値観に凝り固まったものではあるが、そんな人物はどこにでも存在する。昨今のロシアや米国の指導者も、ある意味では似たようなものだろう。自分の価値観がすべてだと思う指導者が、周囲を命令で動かすことで平和は脅かされる。それを阻止するには周囲が動かされなければよいのだが、そんなに簡単な話ではないことは誰にでもわかる。民族が同じだからというような共通の利害があったとしても、より大きい大義を考えることが大事であり、それを日和見とか裏切りと呼ぶべきではない。それがすべてなのだが…

その意味において、シーズン2の主役はハンターズでもヒトラーでもなく、国際裁判でヒトラーを弁護したユダヤ人弁護士のベンジャミンだったのかもしれない。こんなに重いテーマが語られるとは思っていなかっただけに、お腹いっぱいになるくらいの感覚が見終わった後に襲ってきた。しっかり心の準備をしていた方が、このテーマに向き合えそうな気がする。