【ドラマ】キャンディ

<ネタバレあり>

 

実話をベースにした全5話のミニシリーズは、なかなか骨太な内容だ。気の弱そうな女性と押しの強い女性が絡む殺人事件の真相を追う内容とくれば、気の弱そうな女性が殺されたという筋が自然なだけに、最後に無罪評決が来るであろうことは十分に予想できた。ただ、弁護士役のラウル・エスパーザは「ロー&オーダー:性犯罪特捜班」では実直な検事バーバを演じているが、この作品ではアクの強さを前面に打ち出して、判事に食い下がる場面まであった。僕には想像を超えた演技で、ちょっとした衝撃だった。

主人公キャンディス・モンゴメリーを演じるジェシカ・ビールも怪演とでもいうべき存在感のある演技だったが、「パム」でのレネー・ゼルウィガーの圧倒的な演技を見た後ということもあって、小さくまとまってしまった感も否めない。精神障害と正当防衛を主張するという展開のせいか、表情を出さない方向に持っていった演出のせいだとは思うが、このような事件を扱う以上はちょっとした機微が読み取れた方が充実するように思う。

「無罪評決」までは読めたものの、キャンディスが離婚を経てメンタルヘルス・カウンセラーに転身するという展開はテキストで語られるだけとはいえ、実写部分以上に想像を超えた結末。このあたりをエピローグとして描いていれば、もっと衝撃度が高まったじはずなので、そこをあっさり終わらせてしまったことには物足りなさも感じてしまった。