#絵画

【東京都美術館】プーシキン美術館展

東京都美術館で土曜日に開幕したプーシキン美術館展は、ロシアに渡ったフランス絵画を堪能できます。日本人もフランスへの憧れは強いですが、ロシア人も相当なものだと思うのです。パリの石畳みの街並みや緑豊かな郊外の風景に、フランスを訪れたくなる衝動…

【京博】池大雅展

京都国立博物館で始まった池大雅の特別展へ、初日の朝に出掛けてきました。大雅のアプローチは多彩ですが、中国の伝統的な技法を随所に感じさせます。正統を学びながら、それを自身の画風に昇華させているあたりが、彼の才能なのでしょうね。書からの知識も…

【藝大美術館】序の舞への系譜展

東京藝術大学の大学美術館で開幕した「東西美人画の名作 序の舞への系譜」展を訪れました。浮世絵の時代の美人画は、人物よりどちらかというと着物の美しさにフォーカスが当たっていますが、近代になるにつれて表情を描こうとしている画家の意図が感じられる…

【国立新美術館】ビュールレ・コレクション展

国立新美術館の「ビュールレ・コレクション 至上の印象派展」では、印象派を中心に多彩な絵画を楽しめます。スイスの実業家であるエミール・ゲオルグ・ビュールレが蒐集した作品を美術館として展示していましたが、盗難事件の余波もあって2015年に閉館してし…

【三菱一号館美術館】ルドン展

三菱一号館美術館で開催されているオディロン・ルドンの展覧会「ルドン — 秘密の花園」へ。彼の作品を俯瞰して見たことはなかったので、どうしてもこの美術館術館に常設されている「グランブーケ」の印象が強く、ファンタスティックでタペストリーに合いそう…

【国立西洋美術館】プラド美術館展

国立西洋美術館のプラド美術館展「ベラスケスと絵画の栄光」を鑑賞しました。マドリードのプラドを訪れた際はエルグレコとゴヤを堪能したのですが、今回の出展内容は日本での知名度の高くない地味な作品が中心なので、テーマを決めて鑑賞した方がよさそうで…

【国立近代美術館】熊谷守一展

国立近代美術館の熊谷守一展を鑑賞しました。初期の作品は絵具の油脂の影響で作品の劣化が激しいとのことで、当時の時代背景や経済力を垣間見せられます。 熊谷守一の作品は年を重ねるごとにシンプルになってゆきます。初期から中期にかけてはキュビズムを思…

【フォーエバー現代美術館】草間彌生展

6月に京都の祇園に開館したフォーエバー現代美術館は、実は秋田からの移転だったそうです。こちらの目玉はエントランス前のカボチャを含む草間彌生作品の常設ですが、企画展も草間をテーマに開催されています。 カボチャの作品群に顕著ですが、草間彌生が表…

【名古屋市美術館】ランス美術館展

出張の際に訪れた名古屋市美術館の「ランス美術館展」は、レオナール・フジタこと藤田嗣治の作品が堪能できる展覧会でした。ランスは晩年のフジタに所縁のあるフランスの都市で、ランスで「平和の聖母礼拝堂」を制作しています。この展覧会では、そのための…

【Bunkamura】オットー・ネーベル展

渋谷で時間が空いたので、Bunkamura ザ・ミュージアムで開催されているオットー・ネーベル展に立ち寄りました。彼の描く抽象は、計算し尽くされたというか、彼なりの合理性と必然性にコントロールされた造形なのだと思います。おそらく彼は、ひとつひとつの…

【国立西洋美術館】北斎とジャポニズム

「北斎とジャポニズム」は、特に前半に博物学的な見せ方をしていて、個人的にはあまり好きではありません。そしてそこに提示されている視点には、やや決め付けに思えるようなものもありましたが、浮世絵が通俗的な対象を取り上げていることが印象派などの画…

【サントリー美術館】狩野元信展

先日の京都出張の際に、かつてサントリー美術館に勤務していた社員とアート情報を共有したのですが、その中に出てきた狩野元信展はこの日が最終日でした。もっと混んでいるかと思いきや、最終日にしてはさほど混んでおらず、じっくり楽しめました。 障壁画や…

【ゴッホ展】インスタ映えの意味

東京都美術館で開催されている「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」を鑑賞しました。あくまで個人の印象として誤解を恐れずに言えば、ゴッホが表現した「印象」とはいわゆる「インスタ映え」と同義なのではないかと思えるのです。 彼が傾倒したジャポニズムは、デ…

【MOTサテライト】2017秋 むすぶ風景

休館中の東京都現代美術館が、清澄白河と藝大で開催しているアートプロジェクト「MOTサテライト 2017秋 むすぶ風景」は、街中の店舗や住居を利用してアートのインスタレーションを展示しているものです。美術館のようなハコで見るより、いろいろな要素が加わ…

【東京ステーションギャラリー】シャガール展

東京ステーションギャラリーで開幕したシャガール展は、「三次元の世界」というサブタイトルの通り、立体に着目した構成です。シャガールと言えばファンタジーを思わせる絵画を思い起こしますが、版画や彫刻も多く制作しているようです。ただ、ニューヨーク…

【東京国立博物館】びょうぶとあそぶ

残念ながら昨日で終了してしまったのですが、トーハクの本館で開催されていた「びょうぶとあそぶ」は、なかなか興味深い展示でした。キヤノンのプロジェクトで屏風絵にプロジェクションマッピングを重ねる試みなのですが、長谷川等伯の松林図と尾形光琳の群…

【アイルランド旅行記】フェルメール展

今回アイルランド旅行を決めたのは、この展覧会の開催を知ったからでした。パリとワシントンDCも巡回しますが、ダブリンを含めた3都市の中で唯一訪れたことがなく、また来場者も比較的少ないのではないかという判断があったのです。全部で36しかないフェルメ…

【東京都美術館】ボストン美術館の至宝展

東京都美術館で開催されている「ボストン美術館の至宝展」を鑑賞しました。明らかに混雑することを想定した展示構成なのに、思ったほど来場者は多くなく、ゆっくり鑑賞することができたのはラッキーですね。ただ、なぜ来場者が少ないのかと考えてみると、こ…

【三菱一号館美術館】ダ・ヴィンチ×ミケランジェロ

三菱一号館美術館で開催されている「レオナルド・ダ・ヴィンチ×ミケランジェロ展」は素描中心なので、ちょっと来訪をためらっていました。そんな中、出張先のホテルでたまたま見たテレビ番組で山田五郎が「ミケランジェロは男性の臀部にこだわっていた」とい…

【台湾旅行記】台中・彩虹眷村

台湾への社員旅行2日目は、台中へのオプショナルツアーに参加しました。このツアーのメインは彩虹眷村の訪問ですが、ここは一人の老人が使われていない民家の壁などに描き続けているプロジェクトのようなもので、ナイーブアートと呼んでもよいと思います。原…

【国立西洋美術館】アルチンボルド展

上野公園の国立西洋美術館で開催されているアルチンボルド展を訪れました。ジュゼッペ・アルチンボルドはミラノ出身の16世紀の画家で、果物や動物などを組み合わせた不思議な絵画で知られます。 僕がこの展覧会で見出したキーワードは、「キュビズム」「ちぎ…

【笠間日動美術館】自然とアートを堪能

水戸でのサッカー観戦に向かう途中、9年ぶり2回目の笠間日動美術館に立ち寄りました。朝一番で着いたこともあって、なんと全館貸切状態。これだけの作品を独り占めしているという感覚だけで、お腹いっぱいになるくらいの満足感でした。 ルノワールやモネとい…

【東京ステーションギャラリー】ヴェルフリ展

東京駅の東京ステーションギャラリーで開催されている「アドルフ・ヴェルフリ 二萬五千頁の王国」では、独特の世界観からたっぷりと非日常な刺激を受けました。ヴェルフリが織り成す曼荼羅のような作品に籠められているのは、ネガティブながら一歩引いて客観…

【藝大美術館】雪村展

上野公園の東京藝術大学大学美術館(「大学」がダブるのは、誤植ではないですよ)で開催されている「雪村 ―奇想の誕生―」展を鑑賞しました。戦国時代の画僧である雪村周継(せっそんしゅうけい)の描くテーマは、デフォルメされた動物や中国の古典に出てきそ…

【根津美術館】燕子花の競演

ゴールデンウィークの根津美術館は、庭園の燕子花(かきつばた)が見ごろになります。一方館内には、国宝に指定されている尾形光琳の屏風絵「燕子花図屏風」が展示されていて、リアルな燕子花との競演を楽しめます。光琳の作品は、紫の花と緑の葉だけを描い…

【東京都美術館】バベルの塔展

東京都美術館のボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展では、見どころはブリューゲルの「バベルの塔」1枚と言ってよい内容なだけに、どう見せてくれるかに興味がありました。1,600円出して1枚の絵画では、がっかりするリスクがかなり高いですか…

【埼玉県立近代美術館】川原慶賀の植物図譜

北浦和の埼玉県立近代美術館で開催されている「川原慶賀の植物図譜」を訪れました。川原慶賀は江戸時代後期に長崎の出島でオランダ商館との交流を持ち、日本の文物を描いた絵画を制作していたそうです。高校時代の友人が企画に関わっていることもあって、こ…

【森アーツ】エルミタージュ展

六本木ヒルズの森アーツセンターギャラリーで開催されている「大エルミタージュ美術館展」を鑑賞しました。国別にエリアを分けた展示には、博物館的な見せ方という印象でアートのキュレーションらしさを感じず、個人的には好きではありません。ただ、今回の…

【国立新美術館】ミュシャ展

先日、草間彌生展を見たばかりの国立新美術館を再訪し、今日はミュシャ展を鑑賞しました。メインの「スラブ叙事詩」は作品のサイズにも圧倒されますが、そこに籠められた画家の思いの熱量も凄まじいものがあります。宗教画のようなアプローチで世俗を描くこ…

【国立新美術館】草間彌生展

乃木坂の国立新美術館で開催されている草間彌生展「わが永遠の魂」で感じたのは、彼女が単なるサイケデリックなアーティストではないということでした。それはあくまでも一側面であって、彼女が扱っているのは生命や宇宙といったこのコスモスの基本原理なの…