#絵画

【Bunkamura】これぞ暁斎!

Bunkamuraザ・ミュージアムの「これぞ暁斎!」は、鬼才・河鍋暁斎の展覧会です。いま読んでいる村上春樹の新刊「騎士団長殺し」を買ったときに書店がつけてくれた栞が割引券になっていたのですが、この本の中で春樹が「日本画は線で表現する」という趣旨のこ…

【三菱一号館美術館】オルセーのナビ派展

丸の内の三菱一号館美術館で開催されている「オルセーのナビ派展」を日曜日に鑑賞しましたが、この日は東京マラソンの当日。東京駅がゴールでコースが近かったせいで、普段はない手荷物検査がありました。ただ、館内は至って普通でした。 この展覧会で得られ…

【東京都美術館】ティツィアーノとヴェネツィア派展

上野公園の東京都美術館で開催されている「ティツィアーノとヴェネツィア派展」は、終盤のティツィアーノ、ティントレット、そしてヴェロネーゼの作品を際立たせるための序章が長く続きます。いかにもイタリア絵画らしい肖像画と宗教画なのですが、ティツィ…

【原美術館】エリザベス・ペイトン展

先週の土曜日に、お天気に誘われて北品川の原美術館の「エリザベス・ペイトン: Still Life 静/生」を訪れました。この画家のことは知らなかったのですが、史実やオペラの場面、人物画などの対象に内在する感情表現が素晴らしいですね。 エリザベス・ペイト…

【代官山ヒルサイドフォーラム】大宮エリー展

代官山ヒルサイドフォーラムで、一週間という短い会期で開催されていた大宮エリーの個展「tree, tree, tree」を訪れました。「木々の神秘エネルギーを浴びる」という副題がつけられたこの展覧会。塩竈や十和田といった東北地方で制作された作品は、素朴でや…

【東京国立近代美術館】山田正亮展

竹橋の東京国立近代美術館で「endless 山田正亮の絵画」を鑑賞しました。それほど期待していなかったのですが、これはなかなか見応えのある骨太の展覧会です。 彼の作品を一目見て、これは音楽だと感じました。作品と並んで紹介されている制作ノートの言葉に…

【埼玉県立近代美術館】日本のキュビズム展

北浦和の埼玉県立近代美術館で「日本におけるキュビズム ピカソ・インパクト」を鑑賞しました。この美術館はキュレーションが素晴らしく、いつも何か新しい発見があります。 キュビズムの作品は「画家の認識の単位に分割した細部の統合」というイメージだっ…

【上野の森美術館】デトロイト美術館展

上野の森美術館で開催中のデトロイト美術館展は、画家の作風がよくわかるコレクションでした。相変わらず鑑賞しにくいハコなのですが、コレクションの内容で十分補ってくれます。特にピカソは、彼の作風の変遷を概観できて満足できますよ。 あらためて感じた…

【承天閣美術館】伊藤若冲展

京都・相国寺の承天閣美術館での伊藤若冲展は二部制で、前期はこの前の週末までの開催でした。土曜日に訪れたのですが、会期末だけにかなりの人出。ただ、靴を脱いで上がる形式の展示室ということもあって、自分や他人の足音が気にならないので、混んでいて…

【国立西洋美術館】クラーナハ展

上野公園の国立西洋美術館で開催されている「クラーナハ展」へ。綴りはCranachなので以前は「クラナッハ」という表記で記事を書いたことがありますが、今回は公式表記に従って「クラーナハ」とします。以前パリで見たクラーナハは、もっと研ぎ澄まされた冷徹…

【秋田県立美術館】藤田嗣治と斎藤真一

秋田県立美術館では、大作壁画「秋田の行事」をはじめとした藤田嗣治の作品が目当てでした。その風貌も作品もすっかりパリに染まっている印象があった藤田ですが、彼の描く秋田の人々はとても日本らしい印象で意外でした。この大作を様々な角度から鑑賞でき…

【三菱一号館美術館】拝啓ルノワール先生

丸の内の三菱一号館美術館で先週から開催されている「拝啓、ルノワール先生」を鑑賞しました。日本で絶大な人気を誇るルノワールをフィーチャーしながら、彼に師事した梅原龍三郎の作品を辿る構成には、キュレーションに妙を感じさせます。見方によっては「…

【東京都美術館】ゴッホとゴーギャン展

東京都美術館の「ゴッホとゴーギャン展」は、開館時刻の少し前に列の最後尾に並んでからチケットを買って入場するまで15分。やはり開幕してすぐの方が混雑は少ないようですね。この展覧会で感じたゴーギャンは、端的に言うなら「耽美的」。美しいものを美し…

【京都市美術館】若冲の京都、KYOTOの若冲

岡崎公園の京都市美術館で「若冲の京都、KYOTOの若冲」展を鑑賞しました。若冲にしては地味な作品しかないのですが、だからこそ若冲のデッサン力が際立ちます。若干のデフォルメを加えた鶏や鯉の表情はリアルですが、伊勢海老の表情まで描き出しているのはお…

【富山県立近代美術館】藤城清治展

常設展目当てで訪れた富山県立近代美術館で、ちょうど藤城清治の展覧会「光よろこびメルヘン展」を開催していました。藤城は、影絵を駆使した人形劇団「木馬座」の中心人物。僕は子どもの頃、木馬座が好きだった微かな記憶があって、作品を見ると母との思い…

【光と緑の美術館】イタリア近現代アート

相模原のギオンスタジアムでJ3観戦した際に、近現代イタリア美術のコレクションがウリの「光と緑の美術館」を訪れてみました。それほど著名な画家の作品はありませんが、全体的にセンスのよいコレクションで、心地よい空間です。特にマリーノ・マリー二の版…

【神戸市立博物館】松方コレクション展

出張先の京都でたまたま手にした雑誌に出ていた広告から、松方コレクション展が神戸で今日開幕することを知って、思わず京都から神戸まで出掛けてしまいました。この展覧会は「神戸開港150年プレイベント」ということで、巡回はしてくれないみたいです。 明…

【ミラノ旅行記】1900年代美術館

ガイドブックには「1900年代美術館」という名称で載っている「Museo del Novecento」は、ロゴが「900」である通り「900(年代)の美術館」、つまりは「20世紀美術館」という意味のようです。千の単位は省略しているのでしょうね。 ドゥオモのすぐ近くにある…

【ミラノ旅行記】近代美術館(GAM)

イタリア絵画というと宗教画のイメージが強いのですが、ミラノのGAM(Galleria d'arte Moderna di Milano=近代美術館)はセガンティーニや印象派などの作品が多く、キリスト教の知識がなくても直感的に楽しめます。かつては貴族の邸宅であった建物は優雅で、…

【ミラノ旅行記】アンブロジアーナ絵画館

ミラノの中心にあるドゥオモから路地を入った奥にあるアンブロジアーナ絵画館の見どころは、レオナルド・ダ・ヴィンチの「楽師の肖像」です。ちょっと複雑な構造をしているので順路に迷ってしまいますが、スタッフが親切に案内してくれます。「楽師~」は展…

【ミラノ旅行記】ブレラ絵画館

ミラノへの渡航を決めた時点では、イタリア絵画にはあまり興味がありませんでした。どうしても宗教画の印象が強く、キリスト教徒でない僕には理解が難しいからです。しかし、今年は日本とイタリアの国交150ということで多くの展覧会が開催され、それを鑑賞す…

【ミラノ旅行記】最後の晩餐

今回の旅で一番楽しみにしていたのが、レオナルド・ダ・ヴィンチによる世界文化遺産「最後の晩餐」をサンタマリア・デッレ・グラツィエ教会で鑑賞することでした。VIVA TICKETというサイトに半月あるいは1ヶ月単位で前売りがあるのですが、いつ予約受付が始…

【諸橋近代美術館】ダリとクルック

裏磐梯の五色沼近くにある諸橋近代美術館は、公式サイトのドメインを見てもわかるように、ダリのコレクションが充実しています。これは、郡山に本社があってアイスホッケーの東北フリーブレイズのスポンサーでもある「ゼビオ」の創立者のコレクションを基に…

【東京ステーションギャラリー】12の部屋、12のアーティスト

東京ステーションギャラリーの「12の部屋、12のアーティスト」は、統一感を欠くものの、コンテンポラリーアートを意図を持って俯瞰させてくれるという意味では面白い展示でした。夏休み時期の東京駅なので、列車の待ち時間つぶしの観光客が多いと嫌だと思っ…

【東京都美術館】ポンピドゥー傑作展

今日開幕した東京都美術館の「ポンピドゥーセンター傑作展」は、単に作品を見せるのではなく、意図された文脈で再構成されたひとつの作品だと言えます。展示数は多くないが、芸術家の言葉との対比で見せる展示の深みは素晴らしく、時系列であることにも意味…

【出光美術館】美の祝典

東京都美術館の若冲展は見ておきたいと思っているのですが、4時間待ちとの情報ではさすがに並ぶ気になれません。半休を取っても間に合いそうにないので、正直なところもう諦めています。それで、何か美術展を見たいと探した結果、出光美術館を訪れることにし…

【国立新美術館】ルノワール展

東京都美術館の若冲展が大混雑だそうですが、そのおかげか国立新美術館のルノワール展は思ったより人出が少なく、余裕を持って鑑賞できました。オルセーとオランジュリーから名品を集めているだけあって、いかにもルノワールらしいマスターピースをこれだけ…

【根津美術館】燕子花の競演

この時期の根津美術館は、尾形光琳の筆による国宝「燕子花図屏風」と庭園のリアルな燕子花(かきつばた)の競演を楽しめます。金屏風に描かれた燕子花は配置が素晴らしく、ニューヨークのメトリポリタン美術館所蔵の「八橋図」と似た配置ではありますが、純…

【あべのハルカス美術館】ピカソ展

大阪・あべのハルカス美術館で開催されている「ピカソ、天才の秘密」展を鑑賞しての、あくまで個人的な感想です。キュビズムは「人間が視界の中で認知できるのは一部であって、他は見えているようで実は見えていない」というメッセージに思えました。そんな…

【東郷記念美術館】樹をめぐる物語

西新宿の東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館で今日開幕した「樹をめぐる物語」を訪れました。展示されている絵画の主題は樹木ですが、樹木という「いつもそこにあるもの」を基軸にして「変化」を描いているのだと感じました。 夕焼けに染まる一瞬、朝日…