【国立西洋美術館】アルチンボルド展

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上野公園の国立西洋美術館で開催されているアルチンボルド展を訪れました。ジュゼッペ・アルチンボルドはミラノ出身の16世紀の画家で、果物や動物などを組み合わせた不思議な絵画で知られます。

僕がこの展覧会で見出したキーワードは、「キュビズム」「ちぎり絵」「鳥獣戯画」。キュビズムは対象を分解しますが、アルチンボルドは要素を積み上げます。アプローチは逆ですが、アウトプットとしての作品を見ると類似性を感じるのです。要素を積み上げるという意味では「ちぎり絵」の手法だし、さらに言えば点描画のアプローチにも通じると思いました。

そして擬人化するということは、世界観を再構築するということ。鳥獣戯画では動物をそのまま人のように描いていますが、アルチンボルドは複数の要素を統合しています。それによって寓意性は増している一方で、余分な要素の混入によってわかりにくくなっているとも言えます。