【Bunkamura】オットー・ネーベル展

渋谷で時間が空いたので、Bunkamura ザ・ミュージアムで開催されているオットー・ネーベル展に立ち寄りました。彼の描く抽象は、計算し尽くされたというか、彼なりの合理性と必然性にコントロールされた造形なのだと思います。おそらく彼は、ひとつひとつの図形をなぜその形でそこに配置したのかを説明できるのでしょう。それくらいロジカルな感覚を受けたのです。

また、彼が対象を見る際には、それを構造として捉えています。少し前にとある友人の「DTMやジャズはエンジニアに向いている」というツイートを目にしましたが、ネーベルもまたエンジニアのような左脳を持ち、風景を構造化したり音楽を形として描いたのでしょう。

そして、この展覧会はとても暗示的です。シャガールに似た作風を感じると隣にはシャガールがあり、対象の構造化に気づくと冒頭に建築のモックが展示されていたことを思い出す。これこそが、キュレーションの妙というものなのでしょう。