【藝大美術館】序の舞への系譜展

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東京藝術大学の大学美術館で開幕した「東西美人画の名作 序の舞への系譜」展を訪れました。浮世絵の時代の美人画は、人物よりどちらかというと着物の美しさにフォーカスが当たっていますが、近代になるにつれて表情を描こうとしている画家の意図が感じられるようになってくるのがわかる展示でした。

以前から感じていることですが、日本画のアプローチは面や色よりも「線」による描写を重視しており、そのせいでイラストのように見えてしまうのです。これは日本にとっては文化的に根づいた習慣なのでしょう。そして、それはフランスのデザインにも通じるところがあるのではないかと思っています。

「序の舞」は写真ではあまり感じませんが、実物を見ると女性の眼差しに惹きつけられます。モデルとなっている人物の、自分の舞に対する強い意志、あるいはコミットメントが伝わってくるのです。同じく上村松園の「虹を見る」でも、目の描き方で女性の表情を巧みに捉えていて、これぞ画力なのだということを感じさせてくれます。この点は、自身も女性である強みとも言えるかもしれません。