【ゴッホ展】インスタ映えの意味

東京都美術館で開催されている「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」を鑑賞しました。あくまで個人の印象として誤解を恐れずに言えば、ゴッホが表現した「印象」とはいわゆる「インスタ映え」と同義なのではないかと思えるのです。

彼が傾倒したジャポニズムは、デフォルメされた浮世絵のアプローチ。人目をひくように、印象を強めるように「誇張した」見せ方になっています。アルルに移ったゴッホがそこで見た色彩は、リアルに浮世絵のような原色の世界だったのでしょう。アーティストとして、アルルの風景に桃源郷のような印象を受けたとしても不思議ではないと思います。

そして、メンタルを病んでいた彼にとっては、作品は自らの分身でもあり、「わかって欲しい」「伝えたい」という思いそのものだったのではないでしょうか。だからこそ、鑑賞する者にとってどう見えるか、いかに目を引いてもらえるかは本人が意識していたかどうかに関わらず、間違いなく根底にあったはずだと思うのです。これこそが「インスタ映え」の本質なのではないかと、この展覧会を見て強く感じました。