#絵画
サントリー美術館で開催されている河鍋暁斎(かわなべきょうさい)の展覧会「その手に描けぬものなし」を訪れました。河鍋暁斎はカラフルな色彩や扱う対象の多彩さから、若冲のような印象を受けがちではありますが、彼の魅力は筆のタッチを最大限に活かすテ…
神戸のメリケンパークには、Pow Wow Japanの際のミューラル、つまり壁画が残されています。この作品は、ケヴィン・ライオンズの描いたモンスター。アメコミっぽい雰囲気を漂わせたキャラクターが印象的でした。
駿河台にあるアテネフランセはル・コルビュジエに師事した吉阪隆正による建築ですが、アルファベットを散りばめたピンクの壁が印象的です。落葉した街路樹のシルエットと相まって、とてもアーティスティックですね。
昨年に続いてご案内をいただいたので、土曜日に多摩美術大学統合デザイン学科の卒業制作展を見に上野毛キャンパスへ。プロダクトよりのものからミニマルの極みまで、荒削りだけど可能性を感じる展示でした。複数の平面を使って立体を表現する岩井稜さんの「D…
上野の森美術館で開催中のフェルメール展は、1月9日からベルリンのアルテ・マイスター絵画館所蔵の「取り持ち女」の展示が始まっています。初期の作品ですが、「マルタとマリアの家のキリスト」に近い色使いや構図という印象でした。比較的大きいサイズの作…
この画像は、スペインのアーティストPejacの作品ですが、梶ヶ谷と向ヶ丘遊園の間の神木本町交差点の近くにある居酒屋「呑呑」の壁に描かれています。香港やソウルなどにも作品があるようですが、日本に現存するのはここ川崎と千葉県の成東駅近くにしかないよ…
森美術館の「カタストロフと美術のちから展」へ。序盤の作品は東日本大震災や911をストレートに扱っていて、メッセージが明確な上に強すぎるので、観る者が感じる、あるいは思いを寄せる余地がないと感じました。ストレートな事実という意味では、嫌というほ…
たまたまチェックしたInstagramで、ミューラルアーティストユニットのwhole9が渋谷でライブペインティングをしていることを知りました。仕事を終えてマンハッタンレコードに立ち寄ってみると、すでにミューラルは完成してしまった様子。でも、描き上がったば…
長期休館から復活したBunkamuraのミュージアムで先週金曜日に開幕した「ロマンティック・ロシア」は、国立トレチャコフ美術館所蔵の作品からの展覧会。誰もが知っているようなマスターピースはありませんが、ロシアへの深い理解と愛情に裏打ちされた構成は見…
上野公園の国立西洋美術館で開催されているルーベンス展へ。ルーベンスが扱うテーマは神話や宗教。描かれる人物には、役割が明確に与えられています。言い換えるなら、全体と個のミッションが明確で、それらに対するコミットメントも疑いないということ。そ…
池尻大橋の104GALERIEで開催されているEl Bochoの個展「Golden Times」。彼はベルリンを中心に活動するミューラルのアーティストです。ミューラルとは壁画のことですが、グラフィティが街中に落書きするのに対して、ミューラルは持ち主の合意を得て作品を壁…
文化の日で無料だった国立近代美術館で「アジアにめざめたら」を鑑賞しました。ナショナル・ジオグラフィックのドラマでピカソが言っていた「理解しようとするな。感じろ」を実践するには格好の展覧会です。コンテンポラリーながら、アジアの今ではなく伝統…
東京都美術館のムンク展は入場待ち20分。メッセージとストーリーがとてもよく伝わる内容で、混んでいなければ素晴らしい展覧会です。以前MoMAを訪れた際にちょうどやっていた展覧会よりも、内容としてはよかったと思います。冒頭の「見えるものを描くのでは…
大徳寺真珠庵で、クリエイターによる障壁画が展示されています。アニメ制作会社ガイナックスの山賀博之や「ファイナルファンタジー」のアートディレクター上国料勇、「オトナの一休さん」の伊野孝行、釣りバカ日誌の北見けんいちといったバラエティ豊かな面…
フィリップス・コレクション展の印象は、それぞれの画家らしい画風が明確な作品が並んでいるということ。美術館によっては有名な画家の名前だけでラインナップされていることもあり、コレクションの方針は見ればわかってしまいます。パサデナのノートン・サ…
上野の森美術館で、待ちに待ったフェルメール展が始まりました。目当てだった「ワイングラス」は、思ったよりも画面が明るく、グラスに隠された女性の表情に想像力を掻き立てられます。顔を上げずにグラスに残ったワインを飲み干したのは、表情を隠したかっ…
国立新美術館のピエール・ボナール展へ。ボナールが描こうとしたのは、キャンバスという限りのある平面に区切られた構図。だから、顔のパーツや表情には重きが置かれないのでしょう。もしかしたらその背後には、細かいデッサンを避けたいという思いもあった…
Facebookで知人が紹介していたのに興味を持って、出光美術館で「仙厓礼讃」を鑑賞しました。仙厓の作品は深い学と知識に裏打ちされながらも、わかりやすい言葉で語られるものが多いと感じました。絵画の要素ももちろんありますが、漢詩や俳句などの言葉とセ…
Facebookの友人の投稿に刺激されて、クレマチスの丘へ。クレマチスを木彫で表現した須田悦弘のミテクレマチス展は作品自体も見事ですが、展示されている空間とのコラボレーションがまた素晴らしい。コンクリートの壁面に配置された作品を、概略図を参考に探…
越後妻有トリエンナーレ「大地の芸術祭」で6年ぶりに再訪した内海昭子の「たくさんの失われた窓のために」は、清津川に臨む段丘に作られたアート作品。借景としての自然とアートが融合さた、素晴らしい空間です。アクセスが悪いので、あまり人は訪れていませ…
前回はパスしたので、6年ぶりの越後妻有トリエンナーレ「大地の芸術祭」へ日帰りで出掛けてきました。新幹線+レンタカーなので、ちょっとコストはかかりますが、効率を考えるととても満足できる日帰り旅行になりました。今回の最大の狙いは清津峡。渓谷を望…
藤田嗣治の画風は、「カフェ」に代表されるようなパリのエスプリを纏い、日本のマンガのようなデフォルメで表情を描いた作品です。東京都美術館のこの展覧会で、「カフェ」はニューヨークで制作されたことを知って意外な印象を受けたのですが、藤田はひとつ…
横浜美術館の「モネ それからの100年」は、モネを起点にコンテンポラリーアートを紡ぎ直した構成で、キュレーターの渾身の思いが伝わってくる構成でした。モネが表現したのは、睡蓮でもチャリングクロス駅でもエトルタの断崖でもなく、ただ自らの瞳に映る「…
いわさきちひろは、どちらかと言えば好きではない画家でした。無表情なイラストを描く人、という程度の認識だったのですが、展覧会のポスターに使われている絵の色彩に意外な印象を持ったことで、この展覧会を訪れてみることに。 冒頭に展示されていたローラ…
東京国立近代美術館のゴードン・マッタ=クラーク展は、ソフィスティケートされたイメージのクールなコンテンポラリーアートが楽しめます。ただ、テーマが拡散し過ぎてしまっているので、後に記憶として残る印象は薄くなります。グラフィティの連作を都会の…
この時期の関東の美術展は、あまり興味を惹かれないものが多いと感じていました。ワタリウム美術館の「理由なき反抗」展も、ジェームス・ディーンのオマージュものかと思って敬遠していましたが、情報をチェックしてみるとコンテンポラリーアートを「理由な…
葉山の神奈川県立近代美術館で、終了間近の「ブルーノ・ムナーリ展」を鑑賞しました。ムナーリの作品は、色と形と配置によって表現されています。つまり、何も描かれていない部分は「そこに何も配置しない」という意思決定の結果であって、単なる空白ではな…
東京国立博物館で開催されている特別展「名作誕生 ーつながる日本美術」を鑑賞しました。第一会場はひたすら史料として美術作品を見せていて、いかにも博物館らしい展示になっています。正直言ってこういう見せ方は好きではないのですが、博物館の展示なので…
広尾の有栖川宮記念公園に近いドイツ大使館では、ベルリンの壁崩壊25周年の企画で壁画が描かれています。この壁にはいつも何かしらの人目を惹くアートが施されていますが、今回もなかなか印象的ですね。これは日本人画家の乾慎一郎が手掛けたものとのことで…
北浦和の埼玉県立近代美術館で開催されている「モダンアート再訪」は、休館中の福岡市美術館の所蔵品による展覧会です。いつも工夫が光るこの美術館にしてはひねりの少ない見せ方ですが、リキテンスタインにウォーホル、草間彌生が並んでいるのは圧巻でした…