国立西洋美術館のプラド美術館展「ベラスケスと絵画の栄光」を鑑賞しました。マドリードのプラドを訪れた際はエルグレコとゴヤを堪能したのですが、今回の出展内容は日本での知名度の高くない地味な作品が中心なので、テーマを決めて鑑賞した方がよさそうです。
スペインはカトリックの国だけに、宗教画における光に着目してみました。ベラスケスを中心とした作品を見ていると、自然に採光された光というよりも、ピンスポットを当てたような効果が見てとれます。まるで劇場、それも小劇場のステージを見ているかのような場面なのです。キリスト教における「光」は霊力の象徴だとすれば、それは意図的に当てられるピンスポットなのでしょう。
そう考えると、ステンドグラスのような教会の採光の持つ意味や、そこまで含めての教会建築にも一層興味が湧いてきます。日本ではなかなか教会建築を味わう機会がないので、ヨーロッパに行きたくなってしまいますね。
上野公園では梅が見頃で、西美の前庭にあるロダン彫刻とのコラボレーションも楽しますよ。