【ドラマ】フォールアウト

「三体」もそうだったが、奇想天外な世界観と複雑なタイムラインにようやくなじんできたところでシーズンが終わった。その意味では、ここまでがプロローグだったと言われても、納得できそうな気すらある。ゲームを原作とした作品ということもあって、バトルのシーンがとにかくグロさ満載。これを笑い飛ばせるまでに1シーズンを要したと、言い換えることもできるだろう。

エラ・パーネルが演じる主役のルーシーが、信じられないくらい過酷な環境を経験することで急速にタフさを増してゆくところが、演技としても演出としても見応え十分だ。グールたちの演技は、まるで「ウォーキング・デッド」そのもの。パロディになっているように見える部分もあるが、「バービー」を利用した演出もあるので意図的な演出だと思われる。

個人的には「LOST」のマイケル・エマーソンと「ツイン・ピークス」のカイル・マクラクランに注目していた。どちらも思い入れのあるドラマ作品で中心的なロールを担っていた二人だが、本作では存在感を発揮していなかったことが残念だ。登場が限られるとしても、この二人ならもっとアクの強い演技ができたはず。そこに重きを置かなかったのだろうが、見ている側からすると、もったいない気がした。