【U-23アジアカップ】日本―ウズベキスタン

ウズベキスタンは強かった。それはスタッツを見てもよくわかる。ポゼッションもシュート数もショッツ・オン・ターゲットもパス数もすべてウズベキスタンが優位で、ファウルともらったカードの数は日本の方が多い。序盤からフィジカルと運動量で押し込まれて、日本はシュートすら打てない時間が続いた。セットプレーでも得点の香りがまったくせず、逆に度重なるピンチを小久保のファインセーブで何とかしのいでいる状況だった。

膠着状態が続く中で、交代出場選手がウズベキスタン守備陣に穴を穿つ。藤田からのボールに荒木が絡み、山田楓喜が左足でコースを狙ったシュートが相手GKが伸ばす手の先を通過した。この時点で91分だったが、個人的に気になったのは直後に大畑を内野貴史に交代したこと。まだ延長もあり得るこの時点で最後のカードを使い切ることに、違和感を覚えていた。

迎えた95分のプレーでVARから関根がハンドリングを取られて、ウズベキスタンにPK。これは小久保が読み切ってセーブする。小久保はこのビッグプレー以降、すでに感極まった印象があり、涙をこらえるかのような表情が続いた。そんな中で荒木が負傷して退場してしまい、10人での守備という過酷なミッションが与えられる。ここも小久保の活躍もあって何とか乗り切り、日本がU-23アジアカップを栄冠をつかんだ。

優勝してパリオリンピックのグループDに入れば有利という報道があったが、この世代の力関係は読みにくい。マリもイスラエルも怖い存在であり、そもそもパラグアイA代表も苦手な相手。簡単な道のりではないだけに、OA枠も含めてしっかりした準備が必要だろう。