【森アーツ】エルミタージュ展

六本木ヒルズの森アーツセンターギャラリーで開催されている「大エルミタージュ美術館展」を鑑賞しました。国別にエリアを分けた展示には、博物館的な見せ方という印象でアートのキュレーションらしさを感じず、個人的には好きではありません。ただ、今回の展覧会では、作品のバックグラウンドとなっている文化が感じられたという意味で、この構成も悪くなかったと思えます。

イタリア絵画なら宗教色、ロシアやスペインの作品なら王宮色ですが、これらに比べてオランダ絵画は庶民的です。それは以前から理解していましたが、こうして比較してみると「オランダの中産階級がそれなりに豊かだった」ことが要因のではないかと感じるようになったのです。オランダにおける絵画は、庶民のエンタテインメントだったのではないか。そう考えると、ビジネスとしてのエンタテインメントを支えるのは中産階級の財力と言えるのかもしれません。

六本木ヒルズの構造は、券売のからエレベーター移動、上層階での分岐などにおいてスタッフが入場者をさばくことしか考えておらず、アートを楽しむには覚悟が必要だといつも思います。あれだけの来場者をさばくのは大変だとは思いますが、オペレーション次第でもう少し改善はできるなのですが…