#読書

【近藤康太郎】三行で撃つ

「三行で撃つ〈善く、生きる〉ための文章塾」は、朝日新聞で名物記者と呼ばれる近藤康太郎の著作。文章を書く者の心得といえる内容で、書くことにそれなりにこだわりを持っている僕にとっては刺さる内容が多く、これからのバイブルになりそうな本だった。(…

【小説】海が見える家 それから

はらだみずきの前作「海が見える家」を読了した直後に、たまたま書店で見かけて迷わず購入してしまった続編「海が見える家 それから」。前作で欠けていたキャラの立て方には、かなり注力した印象があり、登場人物のバックグラウンドがしつこいくらいに描かれ…

【小説】海が見える家

はらだみずきの「海が見える家」は、文庫化にあたり「波に乗る」を改題した作品。突然死した父親が南房総に残した家で遺品整理をする中で、都会とは異なる生活様式に触れて徐々に惹かれてゆくストーリーだ。舞台となる富浦は、僕が小学生のころに叔父によく…

【村上春樹】一人称単数

村上春樹の新しい短編集を読み進めながら、違和感が増していった。果たして、これは小説なのだろうか、ノンフィクションのエッセイではないのだろうかという思いだ。そして、ある作品に至って、それが明らかに創作であると確信する。そしてあらためて考えて…

【原田マハ】アノニム

原田マハのエンターテイメント作品「アノニム」がKADOKAWAから文庫で出ていたので、読んでみた。彼女は本来、文学的な小説を書いているのだが、これは登場人物をイラストがあり、設定もいかにもシリーズ化をもくろんでいるように見える。それなりにおもしろ…

【原田マハ】デトロイト美術館の奇跡

「デトロイト美術館の奇跡」は財政破綻したデトロイト市の美術館を巡り、市民が美術品の売却を避けようと基金を作って独立法人化するという硬派なストーリーを、原田マハらしく絵画と美術館職員、アート好きな市民の視点で描くハートフルな物語だ。彼女にし…

【カルロ・ロヴェッリ】時間は存在しない

理論物理学者の書籍だが、その内容は哲学に近い。時間という方向性をもった概念の存在を難解な理論で否定するのだが、その部分は決してわかりやすくない。その上、文章に脱線が多く、著者の教養をひけらかすかのような多彩なジャンルの話題の登場で、実に文…

【ハリーポッター】呪いの子・リハーサル版

ハリーポッターシリーズのスピンアウトとして、ロンドンで上演されている演劇のシナリオ「ハリーポッターと呪いの子 第一部・第二部 特別リハーサル版」を原書で読みました。ハリーポッターとダン・ブラウンのラングドンシリーズは、翻訳が待ちきれなくてず…

【恩田陸】「きのうの世界」の不思議

これは率直に言って、不思議な作品です。まるで宮部みゆきを思わせるような、何人もの語り手の切り口からひとつの出来事が語られるという手法は、ときに話の理解をさまたげます。そして最後の最後まで、著者の書きたかった主題は独特の恩田ワールドというベ…