アート/絵画

【松濤美術館】クエイ兄弟展

渋谷区立松濤美術館で、クエイ兄弟の展覧会「ファントム・ミュージアム」が開催されています。2階の第1会場に展示されている絵画やポスターはエキセントリックで不安を描写したような作品が続きますが、第2会場に展示された舞台装置やデコールは独特の世界観…

【笠間日動美術館】自然とアートを堪能

水戸でのサッカー観戦に向かう途中、9年ぶり2回目の笠間日動美術館に立ち寄りました。朝一番で着いたこともあって、なんと全館貸切状態。これだけの作品を独り占めしているという感覚だけで、お腹いっぱいになるくらいの満足感でした。 ルノワールやモネとい…

【東京ステーションギャラリー】ヴェルフリ展

東京駅の東京ステーションギャラリーで開催されている「アドルフ・ヴェルフリ 二萬五千頁の王国」では、独特の世界観からたっぷりと非日常な刺激を受けました。ヴェルフリが織り成す曼荼羅のような作品に籠められているのは、ネガティブながら一歩引いて客観…

【藝大美術館】雪村展

上野公園の東京藝術大学大学美術館(「大学」がダブるのは、誤植ではないですよ)で開催されている「雪村 ―奇想の誕生―」展を鑑賞しました。戦国時代の画僧である雪村周継(せっそんしゅうけい)の描くテーマは、デフォルメされた動物や中国の古典に出てきそ…

【根津美術館】燕子花の競演

ゴールデンウィークの根津美術館は、庭園の燕子花(かきつばた)が見ごろになります。一方館内には、国宝に指定されている尾形光琳の屏風絵「燕子花図屏風」が展示されていて、リアルな燕子花との競演を楽しめます。光琳の作品は、紫の花と緑の葉だけを描い…

【東京都美術館】バベルの塔展

東京都美術館のボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展では、見どころはブリューゲルの「バベルの塔」1枚と言ってよい内容なだけに、どう見せてくれるかに興味がありました。1,600円出して1枚の絵画では、がっかりするリスクがかなり高いですか…

【埼玉県立近代美術館】川原慶賀の植物図譜

北浦和の埼玉県立近代美術館で開催されている「川原慶賀の植物図譜」を訪れました。川原慶賀は江戸時代後期に長崎の出島でオランダ商館との交流を持ち、日本の文物を描いた絵画を制作していたそうです。高校時代の友人が企画に関わっていることもあって、こ…

【森アーツ】エルミタージュ展

六本木ヒルズの森アーツセンターギャラリーで開催されている「大エルミタージュ美術館展」を鑑賞しました。国別にエリアを分けた展示には、博物館的な見せ方という印象でアートのキュレーションらしさを感じず、個人的には好きではありません。ただ、今回の…

【国立新美術館】ミュシャ展

先日、草間彌生展を見たばかりの国立新美術館を再訪し、今日はミュシャ展を鑑賞しました。メインの「スラブ叙事詩」は作品のサイズにも圧倒されますが、そこに籠められた画家の思いの熱量も凄まじいものがあります。宗教画のようなアプローチで世俗を描くこ…

【国立新美術館】草間彌生展

乃木坂の国立新美術館で開催されている草間彌生展「わが永遠の魂」で感じたのは、彼女が単なるサイケデリックなアーティストではないということでした。それはあくまでも一側面であって、彼女が扱っているのは生命や宇宙といったこのコスモスの基本原理なの…

【Bunkamura】これぞ暁斎!

Bunkamuraザ・ミュージアムの「これぞ暁斎!」は、鬼才・河鍋暁斎の展覧会です。いま読んでいる村上春樹の新刊「騎士団長殺し」を買ったときに書店がつけてくれた栞が割引券になっていたのですが、この本の中で春樹が「日本画は線で表現する」という趣旨のこ…

【三菱一号館美術館】オルセーのナビ派展

丸の内の三菱一号館美術館で開催されている「オルセーのナビ派展」を日曜日に鑑賞しましたが、この日は東京マラソンの当日。東京駅がゴールでコースが近かったせいで、普段はない手荷物検査がありました。ただ、館内は至って普通でした。 この展覧会で得られ…

【東京都美術館】ティツィアーノとヴェネツィア派展

上野公園の東京都美術館で開催されている「ティツィアーノとヴェネツィア派展」は、終盤のティツィアーノ、ティントレット、そしてヴェロネーゼの作品を際立たせるための序章が長く続きます。いかにもイタリア絵画らしい肖像画と宗教画なのですが、ティツィ…

【埼玉県立近代美術館】カッサンドル・ポスター展

北浦和の埼玉県立近代美術館で、今日開幕した「カッサンドル・ポスター展 グラフィズムの革命」を訪れました。カッサンドルはウクライナ出身で、フランスで活躍したグラフィックデザイナーです。この展覧会は、いわゆるDCブランド「BA-TSU」の創業者である故…

【原美術館】エリザベス・ペイトン展

先週の土曜日に、お天気に誘われて北品川の原美術館の「エリザベス・ペイトン: Still Life 静/生」を訪れました。この画家のことは知らなかったのですが、史実やオペラの場面、人物画などの対象に内在する感情表現が素晴らしいですね。 エリザベス・ペイト…

【Bunkamura】マリメッコ展

職場が渋谷なので、休日に渋谷に行くのは気が引けていましたが、ようやくBunkamura ザ・ミュージアムで開催されているマリメッコ展を見てきました。以前、乗り継ぎで訪れたヘルシンキのヴァンター空港にあるマリメッコのショップが、ブランドイメージに沿っ…

【代官山ヒルサイドフォーラム】大宮エリー展

代官山ヒルサイドフォーラムで、一週間という短い会期で開催されていた大宮エリーの個展「tree, tree, tree」を訪れました。「木々の神秘エネルギーを浴びる」という副題がつけられたこの展覧会。塩竈や十和田といった東北地方で制作された作品は、素朴でや…

【近江八幡】ヴォーリズ建築を巡る

ウィリアム・メレル・ヴォーリズは米国出身で、日本に多くの近代西洋建築をもたらした建築家ですが、メンソレータム(メンターム)で知られる近江兄弟社の創業者の一人でもあります。関西学院大学の西宮キャンパスや教会など関西を中心に作品を残しています…

【写美】アピチャッポン・ウィーラセタクン展

さいたまトリエンナーレで興味を持ったタイの映像系アーティスト、アピチャッポン・ウィーラセタクンの展覧会「亡霊たち」が東京都写真美術館で開催されています。さいたまトリエンナーレでは、ラッシュアワーのホームを通過する電車からスーパースローで撮…

【東京国立近代美術館】山田正亮展

竹橋の東京国立近代美術館で「endless 山田正亮の絵画」を鑑賞しました。それほど期待していなかったのですが、これはなかなか見応えのある骨太の展覧会です。 彼の作品を一目見て、これは音楽だと感じました。作品と並んで紹介されている制作ノートの言葉に…

【埼玉県立近代美術館】日本のキュビズム展

北浦和の埼玉県立近代美術館で「日本におけるキュビズム ピカソ・インパクト」を鑑賞しました。この美術館はキュレーションが素晴らしく、いつも何か新しい発見があります。 キュビズムの作品は「画家の認識の単位に分割した細部の統合」というイメージだっ…

【上野の森美術館】デトロイト美術館展

上野の森美術館で開催中のデトロイト美術館展は、画家の作風がよくわかるコレクションでした。相変わらず鑑賞しにくいハコなのですが、コレクションの内容で十分補ってくれます。特にピカソは、彼の作風の変遷を概観できて満足できますよ。 あらためて感じた…

【東京都庭園美術館】クリスチャン・ボルタンスキー展

東京都庭園美術館で開催中のクリスチャン・ボルタンスキー展。作品数が少ないという話は聞いていましたが、確かに点数的には少々物足りなく感じますね。ただ、旧朝香宮邸という洋館の妖しい雰囲気を取り込んだような展示は見応えがあります。「アニミタス-…

【承天閣美術館】伊藤若冲展

京都・相国寺の承天閣美術館での伊藤若冲展は二部制で、前期はこの前の週末までの開催でした。土曜日に訪れたのですが、会期末だけにかなりの人出。ただ、靴を脱いで上がる形式の展示室ということもあって、自分や他人の足音が気にならないので、混んでいて…

【ワタリウム美術館】ナムジュン・パイク展

ワタリウム美術館で開催中のナムジュン・パイク展「2020年 笑っているのは誰 ?+?=??」を鑑賞しました。ナムジュン・パイクは韓国系米国人ですが、日本を拠点に活動していた時期も長いアーティストです。 この展覧会では、インスタレーション中心になっており…

【東京都写真美術館】開館20周年展

長期休館を経てリオープンした「TOP」こと東京都写真美術館。総合開館20周年記念で「東京・TOKYO 日本の新進作家vol.13」とコレクション展を開催していました。「東京・TOKYO 日本の新進作家vol.13」の方はいかにも日本らしいテーマなのですが、どうも貧乏た…

【鳥取旅行記】仁風閣

鳥取城址の隣にある「仁風閣」は、ジョサイア・コンドルの弟子である片山東熊が設計した洋館です。片山は、四ツ谷の迎賓館や東京国立博物館の表慶館を設計した人物。工部大学校建築学科の一期生です。 鳥取藩主の池田家の別邸として建てられた仁風閣は国の重…

【足立美術館】アートと紅葉の競演

明日のJ3最終節のために、鳥取を訪れています。鳥取市内では合唱の全国大会があるらしく、ホテルが軒並み満室。仕方ないので米子に飛んで皆生温泉に泊まっています。 生憎の天気でしたが、以前から一度訪れたいと思っていた島根の足立美術館にレンタカーで向…

【国立西洋美術館】クラーナハ展

上野公園の国立西洋美術館で開催されている「クラーナハ展」へ。綴りはCranachなので以前は「クラナッハ」という表記で記事を書いたことがありますが、今回は公式表記に従って「クラーナハ」とします。以前パリで見たクラーナハは、もっと研ぎ澄まされた冷徹…

【神宮外苑】東京デザインウィーク2016

神宮外苑で開催されている東京デザインウィークは11/7までということで、最後の週末に訪れました。このイベントは毎年のテーマによって、結構中身に当たり外れがあります。今年はエアテントを活用した屋外展示が目玉で、晴れた休日にはなかなか気分よく楽し…