【埼玉県立近代美術館】日本のキュビズム展

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北浦和埼玉県立近代美術館で「日本におけるキュビズム ピカソインパクト」を鑑賞しました。この美術館はキュレーションが素晴らしく、いつも何か新しい発見があります。

キュビズムの作品は「画家の認識の単位に分割した細部の統合」というイメージだったのですが、その分割単位は単に「視野」だけではなく、光の加減や骨格などの内部構造もあるのだと気づきました。キュビズムは分割した細部をそのまま配置し、一方フォービズムは全体を主観的に捉え直して構成する印象。そして、それらが統合された形態が、モンドリアンカンディンスキーの抽象なのかもしれないと思ったのです。

そんなことに気づかせてもらえるほど、日本人画家のキュビズムは多彩でした。特に山本敬輔の「ヒロシマ」は、ぜひゲルニカと並べて見てみたいものだと思います。模倣と言えなくもないのでしょうが、そこに込められたメッセージの質量は、十分ゲルニカに匹敵します。