【写美】アピチャッポン・ウィーラセタクン展

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さいたまトリエンナーレで興味を持ったタイの映像系アーティスト、アピチャッポン・ウィーラセタクンの展覧会「亡霊たち」が東京都写真美術館で開催されています。さいたまトリエンナーレでは、ラッシュアワーのホームを通過する電車からスーパースローで撮影した映像が印象的でしたが、今回も洗練されて研ぎ澄まされた感覚で切り取られる風景は、プリミティブなものから現代的なものまで幅広く扱われていました。

彼の作品に漂う「アジアンな世界観」がどこから来ているかを考えてみました。西洋美術と同じようなテーマであっても、そこに捉えられているアジア特有の高温多湿、人口密度、さらにはアニミズム的な宗教観の影響を受けているのではないかと感じます。別の表現にするなら、森や闇との距離感、つまりそれらとの共生度合ということかもしれません。

土曜日の午後でも来館者は多くなく、展示室に流れる繊細な音をしっかりと聞くことができます。画像の写真作品が、別の作品に反射にて映って見えたのですが、それがまさに「亡霊」の印象でゾッとするような効果を生んでいました。