【東京ステーションギャラリー】12の部屋、12のアーティスト

東京ステーションギャラリーの「12の部屋、12のアーティスト」は、統一感を欠くものの、コンテンポラリーアートを意図を持って俯瞰させてくれるという意味では面白い展示でした。夏休み時期の東京駅なので、列車の待ち時間つぶしの観光客が多いと嫌だと思っていましたが、館内は至って静かでした。

僕としては、対象やアプローチがシンプルな方が共感しやすいと思っています。その意味で荒木経惟の写真はわかりやすく、スーザン・ローゼンバーグの描画もメッセージが明らかでした。一番楽しみにしていたのはデイビッド・ホックニー。点数が少なかったのですが、かなり以前に訪れた展覧会で見て好きになった彼らしいフォトコラージュが楽しめたので、十分に満足できました。

ただ、展示室の構成には課題もあります。せっかく「部屋」ごとに世界観を変えているのに、大部屋の周囲に附室をつけているような構成のせいで、元の部屋に戻ったり出たりを繰り返すことになり、世界観に浸るのが難しかったのでした。