【秋田県立美術館】藤田嗣治と斎藤真一

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秋田県立美術館では、大作壁画「秋田の行事」をはじめとした藤田嗣治の作品が目当てでした。その風貌も作品もすっかりパリに染まっている印象があった藤田ですが、彼の描く秋田の人々はとても日本らしい印象で意外でした。この大作を様々な角度から鑑賞できるような構造になっていて、正面からサイドから、そして上階から見下ろす形でも楽しめました。

そして、特別展は「赫に秘めた想い」と題した斉藤真一の展覧会。童話の挿絵のような作品には哀しみの詰め込まれた切ない情念が描かれ、心に響くものがありました。煌々と灯りがともる吉原の夜景を見下ろす遊女の魂を描いた作品は、特に印象に残ります。

斎藤は藤田の作品に傾倒し、パリに留学した時期には藤田との親交も深かった画家。作風はまったく異なるといってよいものですが、シリアスな表情をコミカルに見えるデフォルメを施すあたりのアプローチに近いものを感じました。