【東郷記念美術館】樹をめぐる物語

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西新宿の東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館で今日開幕した「樹をめぐる物語」を訪れました。展示されている絵画の主題は樹木ですが、樹木という「いつもそこにあるもの」を基軸にして「変化」を描いているのだと感じました。

夕焼けに染まる一瞬、朝日が差したその瞬間、あるいはその季節ならではの光景。それら非日常を描く軸として、日常のメタファーとしての樹木が取り上げられている気がしたのです。そう考えると、自分が写真を撮るモチベーションとも一致します。ただ、写真とは違って絵画の場合、そんな移ろいゆく風景が目に見えている間には作品は描けません。その光景は、いったん画家の脳に移されているのですよね。この展覧会では、見たものを再構成して再現しようとする、画家のパッションを感じました。

作品としては地味なものが主体ですが、モネの「ヴェトゥイユの河岸からの眺め」の光の描写や、マティスの「オリーヴの並木道」は印象に残ったし、カミーユピサロの息子であるフェリックス・ピサロの点描のアプローチもよかったです。