【国立新美術館】ルノワール展


イメージ 1

東京都美術館若冲展が大混雑だそうですが、そのおかげか国立新美術館ルノワール展は思ったより人出が少なく、余裕を持って鑑賞できました。オルセーとオランジュリーから名品を集めているだけあって、いかにもルノワールらしいマスターピースをこれだけ東京で見ることができることが素晴らしいのですが、この展覧会はその構成も見事だといえます。

「陽光の中の裸婦」と「猫と少年」という選りすぐりの2点から始めて見るものの気分を上げ、人物と風景で彼の作風の原点を確認。そして中盤は名品の連続なのですが、「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」と「都会のダンス」「田舎のダンス」を対極に配置して、その間は回遊性を高めたフロアに当時の文化や風俗の理解を深める他の画家の作品を並べたところが秀逸でした。ルノワール一点張りよりも緩急があって、ルノワール同士のカニバリゼーションでお腹一杯になることがうまく抑えられています。

終盤には三男のココを描いた「道化師」など子供をテーマにした作品が並びます。僕としては、休館中のブリヂストン美術館のジョルジェット・シャルパンティエ嬢がここにいたらもっとよかったのに、と感じました。彼女は姪っ子のような感じでたまに会いに行きたくなるので、最近会えないのが残念なのです。