【三菱一号館美術館】拝啓ルノワール先生

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丸の内の三菱一号館美術館で先週から開催されている「拝啓、ルノワール先生」を鑑賞しました。日本で絶大な人気を誇るルノワールをフィーチャーしながら、彼に師事した梅原龍三郎の作品を辿る構成には、キュレーションに妙を感じさせます。見方によっては「ルノワールで釣っている」ようにも見えかねませんが、そこはぜひキュレーターの意図を生で味わって欲しいところです。

見どころは多くありますが、ルノワールの「横たわる浴女」の色遣いと梅原の「黄金の首飾り」の対比は共通性を見出せるし、「横臥裸婦」の対象へのアプローチはルノワールのそれをさらに突き詰めた感触が伝わってきて迫力を感じます。

展覧会のタイトルにはルノワールがクレジットされているものの、中身の主役はあくまで梅原龍三郎。そのため梅原にゆかりのあるルオーやピカソ、ブラック、モネらの作品も楽しむことが出来ます。梅原の作風の変化と合わせて見ると、美術史を辿ることができるように思いました。