【根津美術館】燕子花の競演

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この時期の根津美術館は、尾形光琳の筆による国宝「燕子花図屏風」と庭園のリアルな燕子花(かきつばた)の競演を楽しめます。金屏風に描かれた燕子花は配置が素晴らしく、ニューヨークのメトリポリタン美術館所蔵の「八橋図」と似た配置ではありますが、純粋に燕子花しか描いていない「燕子花図屏風」の方が強いインパクトがあります。

他の展示での見どころは「吉野龍田図屏風」ですが、そこに描かれた対象は桜や月や紅葉など現代でも人々の目を楽しませたくれているもの。うつろう季節の中でも毎年巡ってくる邂逅に動かされる心は、普遍なのですね。時代を超えた日本人の美意識に、思いを馳せました。

庭園では、燕子花以外にもツツジやフジも見ごろです。人出が多いのでゆっくり鑑賞したり、思い通りの構図で写真を撮るのはかなり困難ですが、それもこの時期ならではの喧騒と思えば耐えられます。外国人客も多く訪れていました。