【国立近代美術館】アジアにめざめたら

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文化の日で無料だった国立近代美術館で「アジアにめざめたら」を鑑賞しました。ナショナル・ジオグラフィックのドラマでピカソが言っていた「理解しようとするな。感じろ」を実践するには格好の展覧会です。コンテンポラリーながら、アジアの今ではなく伝統的なアジアが実感できました。

館内で感じるのは、高温多湿のアジアの蒸し暑い空気感と街中に漂う何かを煮込む匂いです。いや、臭いと書いた方が合っているかもしれません。もちろん、館内にそんな仕掛けのインスタレーションはありませんが、作品からそれらが立ち上っているかのように思えるのです。

西洋と同じような日常をテーマにしたとしても、描かれる人物の顔の形や肌の色は異なります。ジョルジュ・ブラックならアルファベットだけど、アジアでは漢字やハングルになりますよね。それらの違いが僕の記憶を刺激して、蒸し暑さや臭いのファントムとして出現したのでしょう。画像は、シンガポールのタン・ダウによるサイの密猟を告発するテーマの作品です。