【U-23アジアカップ】カタールー日本

事故のようなゴールで先制するも、事故のようなゴールで追いつかれたところで相手GKが退場。ここから日本は、ボールを持ちながら攻め切れない時間が続き、セットプレーから逆転されてしまう。

数的優位の下、焦る必要はない。しかし、だからといってボールポゼッションしたままじりじりと攻めるのでは、自分たちのスペースを消すだけ。カタールにゴール前を固められて高さでは優位に立てず、今大会のデフォルト戦術である低いクロスを入れるもなかなかチャンスがない。だからこそ、67分にセットプレーから生まれた木村のゴールは貴重だった。

木村は、西尾のサスペンションでチャンスが回ってきた選手で、UAE戦でも先制点を挙げている。こういうラッキーボーイが登場することが求められる中、地味ではあるが素晴らしい貢献をしてくれた。数的不利で疲れが顕在化する後半残り半分というタイミングで追いつかれたカタールの選手のとっては、精神的に厳しい失点だったはずだ。

延長にはもつれ込んだものの、決勝点はFWがしっかり決める。この試合唯一と言ってよい日本らしい展開から、ここまでシュートをミスし続けていた細谷が叩き込む。これで終わりではなく、さらに内野航太郎が続いたことでカタールは完全にモチベーションが切れてしまった。

とはいえ、これでパリオリンピックを決めたわけではない。あの韓国ですらインドネシアに敗れて大会を去っているくらいなので、今のアジアを甘くみてはいけない。ギニアとの大陸間プレーオフに回る前に、出場権を獲得したい。