【Bunkamura】ロマンティック・ロシア

イメージ 1

長期休館から復活したBunkamuraミュージアムで先週金曜日に開幕した「ロマンティック・ロシア」は、国立トレチャコフ美術館所蔵の作品からの展覧会。誰もが知っているようなマスターピースはありませんが、ロシアへの深い理解と愛情に裏打ちされた構成は見応えがあります。

序盤は、絵画を通して表現されるロシアの四季。長い冬を経て訪れる春の喜びや夏の太陽の眩い光が、ロシアの人々に与える感情が伝わってきます。冬ですら極寒というよりは、その季節を楽しんでいるように思えるのです。氷点下15℃のシカゴで、静かに降り積もる雪の中を歩きながら感じた何ともいえない幸福感を思い出しました。

人物や風景から垣間見えるロシアには、明らかに豊かな文化があります。辺境の田舎ではなく、独自に発展した豊さを感じられて、子どもたちはまるで「大草原の小さな家」のローラやネリーのようにも見えるのです。ロシアへの理解が深まり、チャイコフスキーの音楽もまた新しい視点で味わえそうな気がしました。
作品としては、ポスターにも使われているクラムスコイの「忘れえぬ女」もよいけれど、同じ画家の「月明かりの夜」の幻想的な写実性に魅せられました。