【国立西洋美術館】ルーベンス展

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上野公園の国立西洋美術館で開催されているルーベンス展へ。ルーベンスが扱うテーマは神話や宗教。描かれる人物には、役割が明確に与えられています。言い換えるなら、全体と個のミッションが明確で、それらに対するコミットメントも疑いないということ。それらが人物の表情に表れているのでしょう。

ミッションとコミットメントは、宗教によって培われているように見えます。社会学専攻の僕の卒論は「道徳教育における個人主義」で、無宗教の時代に何が社会規範へのモチベーションとなり得るかというものでした。宗教が担ってきた役割を代替するために、例えば企業という枠組みでは何ができるのか。その探求は僕のライフワークなのかもしれないとあらためて思いました。

そんなルーベンス作品の中で、娘クララを描いたものは趣を異にしています。ルノワールを思わせるような赤と青という血管の色の使い方と、華やかながら利発そうな表情は、ルーベンスの愛を籠めた眼差しなのでしょう。