【全豪オープン】大坂なおみ―ブレイディ

ロッドレーバーアリーナやWOWOWの実況席の雰囲気は、なんとなく大坂なおみの圧勝という感じだったが、果たしてそうだろうか。ファーストセットは大坂が先行するもののブレークバックを許し、5-4からの第10ゲームをブレイクするという願ってもない展開だったが、ラッキーといっても差し支えない内容だった。そして、セカンドセットは中盤から大坂のウイナーが少なくなり、ブレイディのミスでポイントを重ねる展開。ブレイディのディフェンスがよく、アングルショットにもしっかり追いついていた。ブレークアップしていたとはいえ、大坂が第9ゲームをキープできていなかったら、勝敗がどうなっていたかわからなかった。

この試合、序盤は大坂もブレイディも動きが硬かった。ファイナルの重圧に加え、風が強かったことも影響していたかもしれない。大坂はそこから、無理をしないテニスに切り替える。特にセカンドサーブは入れることを優先させ、だからこそブレイディがチャンスを作ることができたともいえる。そんな戦術を取れるのも、大坂が勝負どころで恐ろしいほどの集中力を発揮できたから。セミファイナルのセリーナ戦でも逆襲の兆しが見えたところで圧倒的な強さを見せつけて突き放した。セリーナの涙は、大坂の勝負強さに打ちひしがれてしまったからだろう。

プレゼンテーションでも、余裕のスピーチを披露した大阪に死角はなさそうだ。オフコートでも注目を集めながら、ここまで自分を高め続けている彼女に、敬意を表したい。おめでとう、なおみちゃん!