【映画】マイティ・ソー

ワンダヴィジョンを見始めた影響で、関連のあるマーベル作品を少しずつつぶしているが、先週から今週末にかけては「マイティ・ソー」3作を一気に見た。もともとの興味はカット・デニングス演じるダーシーだったが、レディ・シフやロキなど脇を固めるキャラクターにも味があって、シリーズ化できる要素を存分に持ち合わせていた。

「ソー」は北欧神話の「トール」が原型で、オーディンやロキ、ヴァルキリーといったその系列の神々が登場する。アスガルドという架空の星の物語ではあるが、ヨーロッパの文明にとって宇宙と北極は通じるのかもしれない。だとすると、それはヴァイキングが航海の際の道しるべに、動かない北極星やそれを指し示す北斗七星やカシオペア座を使っていたからではないだろうか。

そして、本作はゲーム・オブ・スローンズの世界観にも似た、英国時代劇のような要素も持っている。王家の争いや世継ぎ、養子もそうだし、王や領主の物語を旅の一座が演じている場面も共通している。日本人が戦国や幕末のドラマを見続けるように、英国やその流れを汲む米国の文化にも、歴史をたどる物語を欲する部分があるのだろう。

このシリーズで、話を膨らませている張本人は、間違いなくロキだろう。だからこそ、Disney+の配信で彼を主人公にしたシリーズがもうすぐ始まる。オーディンの養子でソーを子供のころから騙してきたという設定だが、そのあたりの背景が描かれることに期待したい。浅野忠信演じるホーガンが「バトルロイヤル」で殺されてしまったのは残念だが、ジョシュア・ダラスもジェイミー・アレクサンダーも他の出演で忙しくなって鋼板してしまうのは致し方ないところだろう。