【日本-オランダ】選手はよくやった

スタメンで出場した11人は、厳しいゲームをよく闘ってくれた。唯一危なっかしいプレーを見せていた駒野も、4年前のドイツ大会に比べれば安定していた。結果として勝ち点を得られなかったわけだが、内容が伴っているので納得できる。あえて問題を挙げるとすれば、岡田監督だ。この試合の位置づけと、交代選手に対する役割付与を問うてみたい。

この試合の位置づけとして、岡田監督は明らかに「全力で勝ち点を取りに」行った。守備をしっかり固めて、松井と大久保のカウンターに賭ける。それは十分に機能していた。しかし、問題はデンマーク戦だ。この後のカメルーンデンマーク戦の結果によっても影響するが、日本としては勝ち点3が欲しい状況だろう。それならオランダ戦は捨てても、本田、松井、大久保や長友を休ませる選択もあった。監督にそれをさせなかったのは、日本のマスコミとそれに乗っかってしまう国民なのだが…

そして交代策だ。かつて、とある講演会でジーコは「交代で入った選手は、自分と代わる選手ができなかったことのうち何が自分にはできるかを考えなければならない」と言っていた。中村俊輔は思い切りが悪く、流れの中で効果的な動きがまったくできなかった。玉田と岡崎も、松井や大久保のようなキレを欠き、疲れているはずのオランダのDF陣の脅威にはなれなかった。闘莉王をトップに上げる場合のセカンドボール狙いも、徹底されていたとは言い難い。これらはすべて監督の戦術なのだ。