【コロンビア戦】オシムの4-2-4

タイトルは「4-4-2」の間違いではない。4枚のディフェンスラインに2人のリンクマン、そして前線を動き回って得点を狙う4人という布陣が、今日のオシムの戦術だった。僕はハーフタイムで選手を代えるなら稲本と中田だと思っていたが、その通りになった。このオシム戦術では俊輔と遠藤がポジションチェンジを繰り返すだけではなく、稲本が高原のポストを追い越さなければならない。ところが、それがまったく出来ておらず、稲本が中盤でウロウロする場面ばかりが目についた。

そしてこの戦術のもうひとつの肝は、サイドバックの攻撃参加だ。右の駒野はポジショニングまでは出来ていたが、残念ながら僕は彼のクロスの精度をまったく評価していない。今日もそれは同じだった。左の中田は遠藤や俊輔のサポートもできず、ポジショニングの時点で失格だ。交代で入った今野の方がまだよかったが、攻撃面では不満が残る。ボランチというより「リンクマン」として使われた鈴木啓太は時にディフェンスラインのサポートに入り、中村憲剛が前線をサポートしていた。難点もあったが、このふたりはまずまずではなかったか。

惜しい場面もいくつかあったが、得点に至らなかったのもまた事実。サイドバックからのクロスが上がらないと、その役割をこなすMFが1枚外に出てしまうから中が薄くなる。高原の決定力云々よりも、問題はサイドバックの攻撃になると思える一戦だった。そう考えると、オシムが就任以来アレックスを重用していた理由も、うなずけるところだ。

ところで、今日の君が代斉唱を担当した大黒摩季の高音の伸びは素晴らしかった。デンマーク審判団の明確で毅然としたレフェリングとともに、よい気分にさせてもらえた。