【カメルーン戦】遠藤×加地◎

セットプレーからの2得点、しかも1点はDFの闘莉王のゴールということで内容的にはやや寂しいものがあるが、結果として2-0で勝ったのは今後につながるだろう。やはり中澤と闘莉王のCBコンビは、安心して見ていられる。しかし一方で、駒野と阿部が横の揺さぶりに弱いのは相変わらずで、左サイドの守備をこのふたりで対応している局面は危なっかしくて仕方なかった。

このゲームの日本代表で、一番よかったのは加地だと思う。上下に動く運動量はいつも通りだが、それ以上に攻めへの絡みが冴えていた。落ち着いて相手DFをひとりかわすところや、簡単にボールを下げないところも好感が持てた。

その反面、1点目のアシストをした遠藤ではあるが、それ以降のプレーは不満だ。まさにアジアカップで浮き彫りになった「個の力」の不足は、言い換えればリスクを冒して攻めにいくという姿勢だろう。今日の遠藤は、特に後半には相手のプレッシャーを受けないエリアに自分を逃避させて、余裕ある局面で無難なボールを回すことに終始してしまった。彼はもっと泥臭くできる選手なので、こんな省エネサッカーでは彼の持ち味は引き出せない。

さて、我らが大分の高松大樹も地元九石ドームに登場した。プレー回数はあまりなかったが、質自体は悪くなかった。サポートがない中だったので、あまり見栄えのする場面はなかったが、前線からのディフェンスという意味では十分貢献できていた。

アジアカップに比べれば、見ていてイライラしないプレーが増えてきているので、オシムの新しい人選は成功したと言えるだろう。