【サッカーU22】日本-シリア

同点に追いつかれた場面で、安易に体を当てに行ってかわされた酒井宏樹の軽いプレーと、サイドバックの彼があそこにいざるを得なかったことが気になった。そして、そのままドローで終わってしまうような予感がしていた。そうなっていたら、勝ち切れなかった要因として左サイドバック酒井高徳ではなく比嘉を起用したことを挙げようとすら考えていた。

このゲームでは、右の酒井宏樹に突破の役回りを与え、左はゲームを作るサイドとして比嘉には前線のサポートに徹する指示が出ていたのだろう。前線のタレントに比べて最終ラインは見劣りがする。関塚監督にしてみれば、「右も左も上がる」形にはしにくいはずだ。今回はホームゲームでもあり、それならば攻撃的に行くという選択肢もあった。ドローで終わっていたら、あえて守備的な考え方を残したことが仇になっていたとも言えた。

しかし、その比嘉がここ一番の突破で左サイドを破ってクロスを上げ、東を飛び越えて大津のヘッドにぴったり合ってしまう。あそこに飛び込んだ大津のポジショニングの勝利だが、山田も東も大迫も、扇原を起点とした今日のパスワークは秀逸だった。次は2月のマレーシアとシリアだが、今日の勝利で無理する必要はなくなった。アウェイはドロー。それで十分だ。セルジオ越後は「何点でも取れ」と言うだろうが、その手の煽りは無視して構わない。