【日本代表】ジーコの迷い、川口の過信

ラッキーな形で1点をもらった日本は、1-0で前半を終える。後半に入ると、攻めの形がどんどん悪くなった攻撃陣。そこにはいくつかの落とし穴があった。まずは2トップ。連携は悪くなかった。だからこそ、よりチャンスの大きいポジションにいる相手にパスを出そうとしてしまった。柳沢も高原も。

中村俊輔は得点こそあったが、動きはよくなかった。パスを受けてもキープせずに、すぐにはたいてしまう。まるでケガを恐れているかのように。そしてヒデは、ボランチとしては機能していなかった。オシムが「水を運ぶ選手は福西だけでいいのか?」と苦言を呈したというが、まさにその通りになってしまったのだ。さらには、ただでさえパスの出し手ばかりの中盤に、またもパサーの小野が加えられた。チャンスの作れない展開でも、守りに入ったことを悟られたくないというジーコの微妙な迷い、あるいは見栄が、さらに中盤の機能を奪っていった。

松井を選出しなかった以上、この場面では小野よりは小笠原だし、玉田という選択もあったはずだ。守りを固めるなら、小野ではなく遠藤か稲本だ。ジーコが小野に何を託したのか、聞いてみたいものだ。

そして最大のポイントは、川口のまったく無駄な飛び出しだ。直前のプレーは一見好セーブだが、このレベルのゲームでは止めて当然ともいえる。しかし川口は「このゲーム、自分は当っている」と思い、脳裏にはマイアミのブラジル戦が浮かんだかもしれない。そこで恐れる必要もないロングスローのボールに、無意味に飛び込んで流れを譲り渡した。2点目はやむをえないとしても、3点目は駒野がゴールに近いサイドを切らずに逆に行ってしまったことが原因という、単純ミスだ。立て直す時間はない。開き直って攻めるしかないぞ、ジーコジャパンよ!