【ドラマ】ザ・チーム ヨーロッパ大捜査線

本来は"The Team"というタイトルのドラマの”Reloaded”として放送されたようだが、舞台こそデンマーク、ドイツ、ベルギーで前作を踏襲しながらも、出演者も物語もまったく別のものになっている。舞台はドイツとデンマークの国境エリアが中心だが、ブリュッセルやウィーン、グラーツとドイツの周囲にある都市も登場し、いかにもヨーロッパらしい国際性あふれる展開になっている。

普通の海外ドラマは、その作品の製作国の言語が普通に字幕で表示され、それ以外の言語の場合はカッコがつけれらるなどの対応が取られている。しかし、本作ではデンマーク語、ドイツ語、フランス語、英語、アラビア語の間をシームレスと言ってよい自由さで移行する。それは、現代のヨーロッパにおいては日常の光景なのだろう。シリアがフランス領だった影響も感じられるが、ベルギーも含めフランスは登場しないにも関わらず、これだけフランス語が聞こえてくることに、あらためてフランス語の持つ影響力を感じた。

圧倒的な存在感を示していたのが、米国のドラマでも中東系キャラクターでよく登場するナヴィド・ネガーバン。怪しげな笑顔でターゲットに話しかける一方、行動を起こす際には冷徹な判断を下すサイードの役を完璧にこなしていた。ベルギーの捜査官を演じたリン・ファン・ローエンも、線の細さを覆す激しいアクションで見どころを作っている。地味な俳優が多い印象ではあるが、それぞれの国民性を表現しているので、なかなか味わい深い。