【ドラマ】ステラ 黒い捜査ファイル

「FBI:インターナショナル」ではお堅いイメージの捜査官ケレットを演じていたハイダ・リードが、ブラックな要素満載の弁護士を演じるアイスランドのドラマ。そもそもハイダ・リードがアイスランド出身でアイスランド語と英語で自然ンに演技していることも意外だったが、いきなりのセックスシーンやセクハラを受ける場面などをさらっと演じているところに役者としての奥深さを感じた。彼女はステラを演じていた方が、ケレット役よりも楽しんでいるようにも見えるほどだ。

全6話のミニシリーズで、2話ずつでひとつの事件を扱っている。ステラが弁護士とは思えない行動力で刑事さながらの行動をするところには、「なぜ、弁護士がここまでするのか」という違和感を飛び越えた見応えがある。警察も腐敗した上層部や政治家との癒着から、とても信用できるとは思えないレベルなのだが、まあヨーロッパの小国なんてこんなものなのだろう。

アイスランドが舞台ながら、美しい風景の描写はあまり多くなく、娯楽の少ない生活の中で酒とセックスを描く場面が多いところにこの国の状況を思わざるを得なかった。登場する人物は、何となくデンマーク人のような顔や顔のパーツが見られ、気性の荒さも含めて旧宗主国としてのデンマークの存在の大きさもあらためて感じる。連立政権であるところも、「コペンハーゲン」で描かれたデンマークの政治を思わせるし、デンマークの検察はよほど証拠を固めないと起訴しないという部分にも通じるものがあった。