結果的にファーストセットはタイブレークで取ったのだが、2ブレイクアップした時点で錦織が見せた油断に危うさを感じていた。6-0のベーグルで取りそうな勢いがありながら、憧れのフェデラーに遠慮して一気に行くことをためらったように見えた。序盤の展開は錦織も良かったのだが、フェデラーにアンフォーストエラーが多かったことによるところが大きい。ここでストロークを捨て、好調なサーブからショートポイントでの勝負に切り替えたことで流れは変わった。
終盤には、錦織が腰か臀部の痛みでトレーナーを呼び、メディカルタイムアウトを取る。錦織の表情からもモチベーションが下がってしまったことが窺え、フェデラーには心理的に余裕が生まれたことだろう。厳しい球筋は追わなくなっていたこともあり、錦織としてはフォースセットをとれたことは自信になったのだろう。