【メンフィスOP】錦織―フリッツ

錦織圭の4連覇で幕を閉じたメンフィスオープンだったが、何よりも驚かされたのは決勝の対戦相手となった18歳のテイラー・フリッツ。スコアだけ見れば6-4、6-4のストレートだが、内容は互角といってよかった。左右に振る判断とテクニックに錦織もかなり振り回されており、これを勝ち切ったのは錦織の成長だろう。

フリッツはサーブもよいが、決してビッグサーブだけのプレイヤーではない。ストローク戦でも十分に戦えるし、アグレッシブなスタイルは好感が持てる。エース不在の米国テニス界としては、ワイルドカードの提供という形などで、全力でバックアップしてくるはずだ。

錦織はクエリーとの準決勝も苦しい戦いだったが、それでもフルセットに持ち込んで逆転勝利を収めた。速いサーブを立て続けに決められても集中を切らさずに、相手のミスを待つ余裕があった。攻め切れないもどかしさはあったのだが、その点は決勝で挽回されていた。トーナメントの中で修正できることも、錦織にとっては大きな収穫だろう。昨年はこの時期にポイントを稼いでいるので、とりこぼせない。そして、ローランギャロスあたりから、一気に巻き返すトレンドに乗せて欲しい。