【国立新美術館】大原美術館コレクション展

乃木坂の国立新美術館で開催されている「はじまり、美の饗宴展 すばらしき大原美術館コレクション」を訪れました。大原美術館は、倉敷にあって、地元の実業家・大原孫三郎が創設しました。僕も訪れたことがありますが、美観地区の雰囲気と建築がフィットして、そこにコレクションがよく似合っていました。

今回展示されているコレクションは幅広いのですが、それは同時につかみどころのなさでもあります。これを倉敷で鑑賞したら違うのでしょうが、乃木坂のこのハコではコレクションの味わいは伝わりにくいと感じました。どこかの時代やジャンルに特化しているわけでもなく、陶器から印象派、現代美術まで並んでいると、ストーリーが読み取れないのです。

ルノワールゴーギャンなどは、修復したらかなり違った見え方になりそうに思います。言い方を変えると、保存状況はあまりよくないということです。この点は、松岡美術館のコレクションに通じるものがあります。そして、画家の名前はメジャーでも、作品としては完成度の低いものが多いようにも感じてしまいました。やはりこのコレクションは、倉敷で見るべきものなのでしょう。