【オリンピック】なでしこに欠けていたもの

北京オリンピック女子サッカーで、日本代表のなでしこジャパンは中国を破って準決勝に進出しながらも、アメリカとドイツに力負けしてメダルを逃した。サッカーの質自体は決して悪くなかったし、アメリカにもドイツにも互角以上に戦えていたといえる。では、彼女たちに欠けていたものは何だろうか。

まず、今に始まったことではないがフィジカルの強さだ。今日の3位決定戦でも、宮間が前半から再三いいところで左サイドの仕掛けに入りながら、あっさりと体力勝負でつぶされてしまった。それは大野の突破も同様で、辛うじて永里だけは当たり負けしてはいなかった。いくらつなぐサッカーができても、最後の最後で当たり負けしないフィジカルがないと、なかなか得点にはつながらない。これは日本の永遠の課題なのだろう。

そして、これは書きたくない気持ちもあるが、GKの差だ。日本のゴールを守った福元は、随所にファインセーブも見せてはいたが、アメリカ戦の3点目と4点目、そしてドイツ戦の2失点は、良いGKがいれば十分に防げたはずだ。アメリカ戦の4点目もドイツ戦の2点目も同サイド、つまりGKとゴールの間のわずかな隙間を抜かれた。アメリカ戦では「クロスが上がる」と決め付けてしまって直接決められ、ドイツ戦ではケアはしていたもののポストまでの距離感がつかみ切れていなかったのだ。

福元の身長がもう少しあれば防げたかもしれないと考えれば、これもフィジカルの問題と捉えることもできる。体格の問題と片付けてしまっては始まらないので、それを補うような勝負勘や判断力のスピードを鍛えるしかない。佐々木監督はよくチームを作り上げたが、次のステップへ登る道は決して楽なものではないだろう。ともあれ、今回の結果は恥じるものではない。ベスト4おめでとう!