【EURO08】スペイン優勝!

EURO08は、いよいよ決勝。地味ながら前評判通りに決勝に進出してきたドイツと、無敵艦隊と呼ばれながら大舞台では結果を残せないできたスペインが対決した。序盤はスペインの攻撃がもうひとつ噛み合わず、ドイツが主導権を握ったかのように見受けられた。しかし、不安の声をよそにマルチェナプジョルが組むスペインの最終ラインは、守護神カシージャス、好調なボランチマルコス・セナとともにがっちりとゴールに鍵をかけてしまう。

そしてパスワークが売り物のスペインにしては珍しくシンプルに前線に出したボールを、フェルナンド・トーレスが決める。準決勝でも抜かれたDFラームに競り勝ち、GKレーマンの直前で浮かせてボールがゴールに転がり込んだ瞬間、ゴール裏の赤と黄色のサポーターが大きく揺れた。あのようなDFとのぎりぎりの競り合いの中で結果を出すところが、代表をはじめとする日本サッカーに欠けている要素だろう。

ドイツは最後はパワープレイでフィジカル勝負に出たが、そこを脱却できないところが最大の弱みではないだろうか。今大会でドイツが得点を挙げてきたのはクローゼの高さではなく、ポドルスキシュバインシュタイガーの速さと巧さだったのだ。新しい要素で成功してきたドイツが結局は従来型のフィジカルにすがってしまったところに、ドイツが抜け出しきれない過去の栄光を感じてしまう。

大会終了後の退任を示唆していたスペインの監督ルイス・アラゴネスは、69歳という高齢をものともせずスペインに「堅守」をもたらした。退任撤回という噂も出ているが、ジーコの後任としてトルコのフェネルバチェに行ってしまうくらいならば、スペイン代表監督に留まって欲しいところだ。