【オリンピック野球】星野、岩瀬と心中

悲願の金メダル獲得に湧いたソフトボールの斉藤監督は、エース上野と心中覚悟で準決勝以降の決戦に臨み見事に頂点に登り詰めた。星野監督は短期決戦だというのに、調子の上がらない岩瀬起用にこだわって、結果的に心中してしまった。何とも情けない話だ。口では「鬼になる」と言いながら実は温情派の彼は、かつての部下に復活してもらいたかったのだろう。

「準決勝から逆算して起用を決める」と公言していた投手に関しては、なぜ結論が杉内なのか。和田はすでに韓国戦に投げていたから難しいが、継投で行くならダルビッシュも成瀬も先発で使えたはずだ。それでも限界だった杉内から、川上→成瀬という継投までは間違っていなかった。成瀬を1イニングで、順番通りなら岩瀬のところ、あえて藤川を起用したのは打順が李大浩に回るからだ。和田から同点2ランを打ったこの巨漢を、日本は必要以上に警戒していた。

そしてその李大浩を四球で出して、代走に同点ホームを踏まれる。まあ、ここまでは仕方ない。しかし、敢えて一旦飛ばして藤川を起用し、追いつかれた後での岩瀬起用は納得がいかない。昨日まで防御率8点台だった彼は、またも試合をぶち壊した。しかもG.G.佐藤の守備に見るように野手の緊張感を削ぎ、そしてそんな佐藤に代打森野を出すのに、守備から代えないという緊張感の切れた采配までもたらしてしまった。試合終了後のベンチの放心振りを見る限り、銅メダルに向けての気持ちの切り替えは非常に難しいだろう。