【アジアカップ】オシムジャパンを振り返る

今日の試合結果は3失点してしまったことがすべてだとは言え、もっと根本から振り返っておく必要があると思う。まず第一は、日本協会はオシムに何を求めたかということだ。僕は以前から主張しているように、今回の代表で流れを変えられるスーパーサブ佐藤寿人だけだった。ということは、オシムの課題は「レギュラーメンバーで結果を求めつつ、ワールドカップに向けて育成も行う」ことだったのだろうか。

1点ビハインドでパワープレイに出た終盤、あの場面でのポスト役は矢野貴章がベストなのか? オフサイドを取りにいかないDFラインに、阿部は坪井よりもふさわしかったのか? 伊野波を使う局面が想定できたのか? わからないことだらけなのは、僕たちがオシムに与えられた課題の中身を知らないからに他ならない。

もうひとつ考えておきたいことがある。それは「オシムは、Jリーガーが呼ばれたいと思う代表監督だったか?」ということだ。トルシエが就任した直後に、彼はまず当時の代表選手を呼んだ。加茂~岡田体制の中軸ボランチだった山口素弘もそのひとりだった。しかし、トルシエボランチに「ウェーブの動き」、つまり外に開いて2列目を追い越していくことを求めた。これは僕の憶測でしかないが、山口は「これは自分にふさわしい居場所ではない」と思ったのではないか。そして、それと同じことがオシムジャパンで起きていたとしても、まったく不思議ではない。

これから責任論も出るだろうし、もともと日本協会が名誉総裁の意向に沿わないオシムを切りたがっているというゴシップ話もすでに出回っている。そんなことよりも、今大会に何を求めて、その結果はどうだったのかをきっちりと清算しなければならない。